新書大賞2023 2位『人類の起源』がベストセラー 従来の人類進化の定説に再考を促す知見が満載

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 3月7日トーハンの週間ベストセラーが発表され、新書第1位は『日本史を暴く 戦国の怪物から幕末の闇まで』が獲得した。
 第2位は『徳川家康 弱者の戦略』。第3位は『ぼけの壁』となった。

 4位以下で注目は10位にランクインした『人類の起源 古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」』。国立科学博物館館長で人類学者の篠田謙一さんが、最新の研究結果をもとに30万年前にアフリカではじまった人類進化のプロセスを解説した一冊。2022年2月に刊行された同書だが、同年10月に人類の進化を遺伝的に解明したスバンテ・ペーボ氏がノーベル医学・生理学賞を受賞したことが追い風となり、今年2月には1年間に刊行されたすべての新書から、その年の「最高の一冊」を選ぶ新書大賞で2位に輝いている。

 産経新聞の書評では《絶滅したネアンデルタール人は現生人類と交雑し、われわれの隠れた祖先となっていた。ヨーロッパ人の肌が白くなったのは、せいぜいここ5000年ほどのことだった。縄文人は遺伝的に均質な集団でなく、縄文人と弥生人の2項対立図式を前提にした「二重構造モデル」は見直しを迫られている…。従来の歴史や文明像に再考を促す知見が満載の、実りの多い一冊だ。》と評されている。

1位『日本史を暴く 戦国の怪物から幕末の闇まで』磯田道史[著](中央公論新社)

歴史には裏がある。古文書を一つずつ解読すると、教科書に書かれた「表の歴史」では触れられない意外な事実が見えてくる。明智光秀が織田信長を欺けた理由、信長の遺体の行方、江戸でカブトムシが不人気だった背景、忍者の悲惨な死に方、赤穂浪士が「吉良の首」で行った奇妙な儀式、漏洩していた孝明天皇の病床記録……。古文書と格闘し続ける著者が明らかにした、戦国、江戸、幕末の「歴史の裏側」がここにある。(中央公論新社ウェブサイトより)

2位『徳川家康 弱者の戦略』磯田道史[著](文藝春秋)

徳川幕府が二百六十年隠してきた真実を暴く! 信長、信玄、そして秀吉。圧倒的な強者を相手にしてきた家康はつねに「弱者」だった。それがなぜ天下人となったのか? そこには弱者だから取り得た戦略、ライバルからの旺盛な「学び」があった。第一人者が家康の実像に迫る。(文藝春秋ウェブサイトより)

3位『ぼけの壁』和田秀樹[著](幻冬舎)

幸せな老後、残念な老後を左右するのは「ぼけ=脳の老化」。その二大原因は認知症と「老人性うつ」だ。認知症は実は進行がゆっくりで、決して「かかったら人生おしまい」ではない。他方、「老人性うつ」は死に至る病で認知症より怖いとも言えるが、適切に治療すれば治る病気だ。そもそも脳は臓器の中でも頑強にできていて、正しく知ってメンテナンスすれば、ぼけが始まっても簡単には衰えない。ベストセラー『80歳の壁』の著者が、老化を遅らせて明るく前向きに過ごすための、脳の正しい使い方を教えます!(幻冬舎ウェブサイトより)

4位『バカと無知 -人間、この不都合な生きもの-』橘玲[著](新潮社)

5位『80歳の壁』和田秀樹[著](幻冬舎)

6位『脳の闇』中野信子[著](新潮社)

7位『成熟スイッチ』林真理子[著](講談社)

8位『ゼロからの『資本論』』斎藤幸平[著](NHK出版)

9位『死は存在しない 最先端量子科学が示す新たな仮説』田坂広志[著](光文社)

10位『人類の起源 古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」』篠田謙一[著](中央公論新社)

〈新書ランキング 3月7日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2023年3月11日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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