「発達障害という言葉が独り歩きしている」小児脳科学者が「発達障害もどき」が増えていると指摘[新書ベストセラー]

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 8月1日トーハンの週間ベストセラーが発表され、新書第1位は『堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法』が獲得した。
 第2位は『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』。第3位は『裁判官の爆笑お言葉集』となった。

 4位以下で注目は10位にランクインした『「発達障害」と間違われる子どもたち』。今年3月に発売された新書ながら徐々に注目を集めランクイン。著書は臨床経験35年以上の小児脳科学者・成田奈緒子さん。近年増えてきた「発達障害」と呼ばれる子どもたち。同書によると発達障害とされた子どもは2006年は7000人足らずだったものが、14年後の2020年には9万人を超えているという。しかし成田医師は同書のまえがきで《「発達障害という言葉が独り歩きしているにうに感じる現状》があるとし、実際には発達障害と間違われている「発達障害もどき」の子どもたちが増えていると指摘する。成田医師は「発達障害もどき」を《発達障害の診断がつかないのに、発達障害と見分けがつかない症候を示している状態》と解説し、「発達障害もどき」から抜け出すために親や子どもたちができることを具体的に説明している。

1位『堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法』堤未果[著](幻冬舎)

「ショック・ドクトリン」とはテロや大災害など、恐怖で国民が思考停止している最中に為政者や巨大資本が、どさくさ紛れに過激な政策を推し進める悪魔の手法のことである。日本でも大地震やコロナ禍という惨事の裏で、知らない間に個人情報や資産が奪われようとしている。パンデミックで空前の利益を得る製薬企業の手口、マイナンバーカード普及の先にある政府の思惑など……。強欲資本主義の巧妙な正体を見抜き、私たちの生命・財産を守る方法とは?滅びゆく日本の実態を看破する覚悟の一冊。(幻冬舎ウェブサイトより)

2位『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』今井むつみ[著]秋田喜美[著](中央公論新社)

日常生活の必需品であり、知性や芸術の源である言語。なぜヒトはことばを持つのか?子どもはいかにしてことばを覚えるのか?巨大システムの言語の起源とは?ヒトとAIや動物の違いは?言語の本質を問うことは、人間とは何かを考えることである。鍵は、オノマトペと、アブダクション(仮説形成)推論という人間特有の学ぶ力だ。認知科学者と言語学者が力を合わせ、言語の誕生と進化の謎を紐解き、ヒトの根源に迫る。(中央公論新社ウェブサイトより)

3位『裁判官の爆笑お言葉集』長嶺超輝[著](幻冬舎)

「死刑はやむを得ないが、私としては、君には出来るだけ長く生きてもらいたい」(死刑判決言い渡しの後で)。裁判官は無味乾燥な判決文を読み上げるだけ、と思っていたら大間違い。ダジャレあり、ツッコミあり、説教あり。スピーディーに一件でも多く判決を出すことが評価される世界で、六法全書を脇におき、出世も顧みず語り始める裁判官がいる。本書は法廷での個性あふれる肉声を集めた本邦初の語録集。これを読めば裁判員になるのも待ち遠しい。(幻冬舎ウェブサイトより)

4位『黎明 日本左翼史 左派の誕生と弾圧・転向 1867-1945』池上彰[著]佐藤優[著](講談社)

5位『日本史を暴く 戦国の怪物から幕末の闇まで』磯田道史[著](中央公論新社)

6位『脳の闇』中野信子[著](新潮社)

7位『なぜヒトだけが老いるのか』小林武彦[著](講談社)

8位『知らないと恥をかく世界の大問題14 大衝突の時代-加速する分断』池上彰[著](KADOKAWA)

9位『客観性の落とし穴』村上靖彦[著](筑摩書房)

10位『「発達障害」と間違われる子どもたち』成田奈緒子[著](青春出版社)

〈新書ランキング 8月1日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2023年8月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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