【話題の本】『今日は自習にします』工藤あゆみ著

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■こんな授業が、もしあったら?

《(君がげんき)+(    )=私は幸せ》。表紙に登場する式にまず考えさせられる。本の中では「なにも足さなくていいや」の文章が添えられている(算数)。また、末尾に「ハッピーエンド。」とだけ書かれた原稿用紙の絵に「安心して君の物語を書きはじめたらいい。」(国語)。「自分のため息は自分でかたづける」(掃除)、「甘いしょっぱいほろ苦い 温めてかき混ぜて溶けてゆけ」(理科)などの絵も。

イタリア在住アーティストの著者が、45の教科や給食などの時間をテーマに、自分を見つめ、日々を大切に歩むためのヒントを絵と文章で紡いだアートブック。6月末に発売され、「こんな国語や数学の授業を学生の時に受けてみたかった」などと反響がじわじわ広がっている。

同じ版元で3作目の著書。人生の真理をも思わせる世界観で、「直接的な言葉は使わず、人を励ましたり背中を押したり前向きにさせるのが魅力」と担当編集者。読者層の中心は30~50代。女性が多めというが、「お疲れ気味のサラリーマンの方にも響くようです」。

著者の絵のキャラクター「あの子」の描写や、味のある手書きの文章にも癒やされる。(青幻舎・1980円)

三保谷浩輝

産経新聞
2023年9月23日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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