書店で誰でもサンタクロースになれる!「ブックサンタ」を作家・知念実希人さんが体験

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(写真左から)知念実希人さん、清輔夏輝さん

みなさんは、「ブックサンタ」という取り組みをご存知でしょうか? ブックサンタは、NPO法人チャリティーサンタが、全国の大変な境遇に置かれた0~18歳の子どもたちに本を贈るため、2017年に書店や日本出版販売と連携してスタートした社会貢献プロジェクトです。

本を贈りたいと思った人が参加書店や特設オンライン書店で本を買うと、チャリティーサンタをはじめとした全国数百のNPOを通じて、クリスマスや誕生日など特別なプレゼントとして子どもたちへ本が届きます。書店のレジで寄付をすると、サンクスレターとステッカーを受け取ることができます。

医療ミステリーの旗手で、「天久鷹央」シリーズなどのベストセラーで知られる作家の知念実希人さんは、この活動に2021年から参加し、今年から始まった特別プログラム「作家サンタ」にも携わっています。

今回は、NPO法人チャリティーサンタ運営事務局の清輔夏輝さんとともに、「作家サンタ」である知念さんが、寄付したい本を実際に書店(紀伊國屋書店新宿本店)で選ぶ、貴重な場面に密着しました。

最初の一冊には、“自分が本を好きになったきっかけ”の本を


「懐かしい! この本好きでした」などと、売場を巡りながら次々と本を手に取る知念さん。

知念 (売場を一周しながら)本当にこのお店の児童書は充実していますね!

清輔 改めて見ると圧倒される量ですね。普段、児童書フロアを歩かれることはありますか。 

知念 親戚の子どもがとても本好きなので、よく一緒に本を選びに来ます。せっかくだから、子どもに楽しんでもらえる本を選びたいですよね。

清輔 気になる最初の一冊は。

知念 海外ミステリーを。これこれ! 『奇巌城』(モーリス・ルブラン著、南洋一郎訳)にします。子どもの時に名作大全のような全集で読んだのですが、それがものすごくおもしろくて。僕はこれを読んで本を好きになったんです。そこからミステリーにハマって、その後、別冊宝島のルパン三世シリーズを全部読みました。

清輔 やはりミステリー作家としてはミステリーを選んでしまう。

知念 そうですね、つい手に取ってしまいます。この流れで行くと、次は『アクロイド殺し』を。

……いや、ちょっと待ってくださいね。『そして誰もいなくなった』と迷いますね。でも登場人物がシンプルなのと、最後にびっくりする方にしようかな。

知念実希人(ちねん・みきと)
1978年、沖縄県生まれ。2004年から医師として勤務。2011年、「レゾン・デートル」で島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞。2012年、同作を『誰がための刃』と改題し、デビュー。2018年、『崩れる脳を抱きしめて』で広島本大賞、沖縄書店大賞を受賞。同作で本屋大賞にノミネートされる。他の著書に「天久鷹央」シリーズ、『螺旋の手術室』『ひとつむぎの手』『仮面病棟』『ムゲンのi』『優しい死神の飼い方』『硝子の塔の殺人』などがある。

取材・構成 日販 企画課 山田

日本出版販売 ほんのひきだし
2023年11月10日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

日本出版販売

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