「まさかの実写映像化」で1986年の作品がベストセラーランキングに 綾辻行人『十角館の殺人』が大注目[文庫ベストセラー]

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 12月26日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文庫第1位は『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』が獲得した。
 第2位は『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』。第3位は『三河雑兵心得 13 奥州仁義』となった。

 今週も福原遥さん、水上恒司さんらが出演する映画版が大ヒット中の『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』が1位。続編の『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』も4位にランクインしている。

 4位以下で注目は10位にランクインした『十角館の殺人 <新装改訂版>』。1987年に綾辻行人さんが発表した推理小説。綾辻さんのデビュー作で、今なお書き続けられている「館」シリーズの第一作。発表時ミステリ界に大きな衝撃を与え、ミステリのジャンル「新本格」ブームを牽引した作品の文庫新板だ。さきごろ刊行から35年以上を経て実写映像化されることが発表され大きな話題となり、ランクイン。

 綾辻さんは映像化発表時に《どうやって実写化するの? できるの? という疑念を、やはりまず抱かざるをえませんでした。》と心配を口にしながらも監督を担当する内片輝さんへの信頼があると話し、《原作をすでに読んでおられる人にとっては、気になるのはやはり、「映像化不可能」であるはずのメインの仕掛けをどうやって「可能」にしているか、という点でしょうから、まずはその興味でご覧ください。ですが、その試みが成功しているか否かについては、原作を読まずに観た人の感想を伺うしかないわけです。そのあたり、なかなか向き合い方がむずかしい作品かもしれませんね。ともあれ、内片監督渾身の作であることは間違いないはずです。どんな仕上がりになるのか、僕も大いに楽しみにしています。》とコメントしている。

1位『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』汐見夏衛[著](スターツ出版)

息が苦しくて 全身が痛くて それでも私は走った 声のかぎりに叫んだ そして祈った 私の大切な人を見殺しにする残酷な神様 せめて最後くらいは私の願いを叶えてよ――(スターツ出版ウェブサイトより)

2位『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』東野圭吾[著](光文社)

故郷で父が殺害された。仕事と結婚準備を抱えたまま生家に戻った真世は、何年間も音信不通だった叔父・武史と再会する。元マジシャンの武史は警察を頼らず、自らの手で犯人を見つけるという。かつて教師だった父を殺した犯人は、教え子である真世の同級生の中にいるのか。コロナ禍に苦しむ町を舞台に、新たなヒーロー“黒い魔術師”が手品のように華麗に謎を解く長編ミステリー!(光文社ウェブサイトより)

3位『三河雑兵心得 13 奥州仁義』井原忠政[著](双葉社)

秀吉の命令により、北条氏の旧領である関東に移封となった徳川家。家康に従い、一族郎党を引き連れて江戸にやってきた茂兵衛だが、辺りは葦が生い茂る湿地で、あちらこちらで土を掘ったり埋めたりとかまびすしい。そんな中、陸奥国、南部氏の家臣である九戸政実が秀吉による奥州仕置に異を唱え、反旗を翻した。ただちに再仕置軍の派遣が決定し、徳川家も参陣を求められる。井伊直政の軍監として出陣することになった茂兵衛は、例によって家康から無理難題を命じられてしまう。戦国足軽出世物語、四分五裂の第十三弾!(双葉社ウェブサイトより)

4位『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』汐見夏衛[著](スターツ出版)

5位『野心 ボーダーズ 3』堂場瞬一[著](集英社)

6位『窓ぎわのトットちゃん 新組版』黒柳徹子[著](講談社)

7位『もういちど』畠中恵[著](新潮社)

8位『ある閉ざされた雪の山荘で』東野圭吾[著](講談社)

9位『正欲』朝井リョウ[著](新潮社)

10位『十角館の殺人 <新装改訂版>』綾辻行人[著](講談社)

〈文庫ランキング 12月26日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2023年12月30日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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