「おやまにきませんか。かきもあります。」印象的な交通広告で話題のホラー『近畿地方のある場所について』が年初の文芸書ベストセラーランキングに登場

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 1月10日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『続 窓ぎわのトットちゃん』が獲得した。
 第2位は『すべての恋が終わるとしても -140字の恋の話-』。第3位は『近畿地方のある場所について』となった。

 3位の『近畿地方のある場所について』はKADOKAWAの運営する小説投稿サイト「カクヨム」に投稿されたホラーモキュメンタリー(フェイクドキュメンタリー)の書籍版。表題のとおりに“近畿地方のある場所”について言及された雑誌記事やインタビュー、ネット掲示板からの抜粋、ライターによる語りなどで構成されており、それらの資料を読み進めるうちに次第に恐ろしい怪異が浮き上がってくる。2023年初頭から連載が始まり、作者のX(旧Twitter)とも連動し、ホラー世界を圧倒的なリアリティでつくりあげ評判となっていた。翻訳家で評論家の大森望さんは同書の仕掛けを《怖いもの見たさを刺激するという点では、史上最高クラスかもしれない》と称賛し、《さまざまな文体とスタイルを駆使して捏造された断片が少しずつ全体像を結びはじめるあたりはなかなかスリリング。映画『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』やそこから派生した『ブレア・ウィッチ・プロジェクト完全調書』、実話ホラーに金字塔を打ち立てた小野不由美『残穢』などの系譜とネット怪談の系譜を融合させ、絶妙にパッケージした感じ。》と分析している。発行部数は10万部を突破し、2023年11月から月刊コミック誌「電撃大王」でマンガ版の連載もはじまっている 。

1位『続 窓ぎわのトットちゃん』黒柳徹子[著](講談社)

国民的ベストセラー、42年ぶり、待望の続編!国内で800万部、全世界で2500万部を突破した『窓ぎわのトットちゃん』。世界中で愛されている、あのトットちゃんが帰ってくる!泣いたり、笑ったり……トットの青春記。(講談社ウェブサイトより抜粋)

2位『すべての恋が終わるとしても -140字の恋の話-』冬野夜空[著](スターツ出版)

140字で綴られる、恋の始まりと終わり――。(以下、本文『後悔しないように』引用)「もっと早く告白しておけばよかった」幼なじみの彼は言った。慎重なところが魅力な彼だけれど、今回はその人柄が裏目に出てしまったらしい。「元気出して」「まあ大丈夫。お前は俺みたいに後悔するなよ」こんな時ですら私の心配だ。でも、私はそんな彼のことが――。「じゃあ、後悔しないように言うね」(スターツ出版ウェブサイトより)

3位『近畿地方のある場所について』背筋[著](KADOKAWA)

情報をお持ちの方はご連絡ください 近畿地方のある場所にまつわる怪談を集めるうちに、恐ろしい事実が浮かび上がってきました。(KADOKAWAウェブサイトより)

4位『あなたが誰かを殺した』東野圭吾[著](講談社)

5位『人間標本』湊かなえ[著](KADOKAWA)

6位『星を編む』凪良ゆう[著](講談社)

7位『すべての恋が終わるとしても -140字のさよならの話-』冬野夜空[著](スターツ出版)

8位『ぎんなみ商店街の事件簿 Brother編』井上真偽[著](小学館)

9位『ぎんなみ商店街の事件簿 Sister編』井上真偽[著](小学館)

10位『汝、星のごとく』凪良ゆう[著](講談社)

〈文芸書ランキング 1月10日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2024年1月13日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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