国民的ベストセラー『窓ぎわのトットちゃん』の続編がランクイン 黒柳徹子が42年ぶりの続編を書いた理由とは[文芸書ベストセラー]

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 3月5日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『とんでもスキルで異世界放浪メシ 15 貝柱の冷製パスタ×賢者の石』が獲得した。
 第2位は『ブラック・ショーマンと覚醒する女たち』。第3位は『望月の烏』となった。

 4位以下で注目は7位にランクインした『続 窓ぎわのトットちゃん』は黒柳徹子さんの自伝的物語『窓ぎわのトットちゃん』(講談社)42年ぶりの続編だ。幼少期を描いた『窓ぎわのトットちゃん』のその後を描いており、戦時中の疎開先での日々や女学校時代、NHKの専属女優時代からニューヨーク留学まで、波乱万丈なトットの人生が綴られている。言語学者で作家の川添愛さんは読売新聞に寄稿した書評で、黒柳さんが42年ぶりの続編を書こうと思った一つの理由が戦争のことを書き残しておくためだったと紹介し、《本書の前半部分は、戦争が暗い影を落としている。》《描写は淡々としているが、戦争の苛酷(かこく)さがひしひしと伝わってくる。》と評す。そして《読んでいると、トットの天真爛漫(らんまん)さが自分の中にも流れ込んでくるような、爽やかな気持ちになる。前作を読んでいない人もぜひ読んでほしい。そして、子どもが泣くことすら許されない時代が、もう二度と来ないことを願う。》と黒柳さんの思いを代弁している。

1位『とんでもスキルで異世界放浪メシ 15 貝柱の冷製パスタ×賢者の石』江口連[著](オーバーラップ)

友達と一緒だとダンジョンも新鮮!?「勇者召喚」に巻き込まれ、現代日本から異世界へとやってきたサラリーマン、ムコーダ。冒険者パーティー”箱舟”と偶然の再会を果たした彼だったが、フェル達と”箱舟”の面々が意気投合してしまったことで一緒に手付かずのダンジョンへ行くことに。前人未踏のダンジョンに期待を膨らませていた”箱舟”のメンバーだったが、踏み入った先には強大な魔物が待ち構えていた上に、それを楽々と踏破していくフェル達に驚愕しっぱなし。そしてそんなフェル達と共に冒険を続ける彼の胆力に感心するのだった。
そんなこんなで辿り着いたダンジョン第2階層。そこには広大な海が広がっていて、”箱舟”のメンバーはあまりの出来事に呆然としてしまう。一方、フェル達は海の幸への期待に胸を膨らませ、早速魚介を狩り始めるのだった。「小説家になろう」13億PV超のとんでも異世界冒険譚、ムコーダ一行の常識外れっぷりが輝く15巻!(オーバーラップウェブサイトより)

2位『ブラック・ショーマンと覚醒する女たち』東野圭吾[著](光文社)

亡き夫から莫大な遺産を相続した女性の前に絶縁したはずの兄が現れ、「あんたは偽者だ」といいだす。女性は一笑に付すが、一部始終を聞いていた元マジシャンのマスターは驚くべき謎解きを披露する。果たして嘘をついているのはどちらなのか――。謎に包まれたバー『トラップハンド』のマスターと、彼の華麗なる魔術によって変貌を遂げていく女性たちの物語。(光文社ウェブサイトより)

3位『望月の烏』阿部智里[著](文藝春秋)

若き金烏の新たな后選びに波乱の予感――。累計200万部突破&アニメ全国放送決定!大人気異世界ファンタジー「八咫烏シリーズ」待望の最新作。絶対権力者・博陸侯の後ろ盾のもとで、新たに異世界〈山内〉を統べる金烏代となった凪彦。その后選びのため、南北東西の大貴族の家から選ばれた、四人の姫君たちが、宮中での〈登殿の儀〉へと臨む。しかし下級官吏として働く、絶世の美姫の存在が周囲を――。(文藝春秋ウェブサイトより)

4位『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈[著](新潮社)

5位『BLANK PAGE 空っぽを満たす旅』内田也哉子[著](文藝春秋)

6位『シャーロック・ホームズの凱旋』森見登美彦[著](中央公論新社)

7位『続 窓ぎわのトットちゃん』黒柳徹子[著](講談社)

8位『すべての恋が終わるとしても -140字の忘れられない恋-』冬野夜空[著](スターツ出版)

9位『ともぐい』河崎秋子[著](新潮社)

10位『スピノザの診察室』夏川草介[著](水鈴社)

〈文芸書ランキング 3月5日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2024年3月9日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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