いや泣いたわ! 杉咲花主演映画版も好評 書評家も感涙の『52ヘルツのクジラたち』文庫ベストセラーに登場

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 3月12日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文庫第1位は『幾世の鈴 あきない世傳 金と銀 特別巻(下)』が獲得した。
 第2位は『変な家 文庫版』。第3位は『罪の年輪 ラストライン6』となった。

 2位の『変な家 文庫版』は2021年に単行本で出版された作品、待望の文庫版。ある一軒家の間取り図から推理が広がる「不動産ミステリー」。3月15日に実写映画版が公開された。主人公の動画クリエイター雨宮を演じるのは間宮祥太朗さん。雨宮と共に謎に挑む設計士・栗原を佐藤二朗さん、謎めいた女性を川栄李奈さんが演じる。

 4位以下で注目は4位にランクインした『52ヘルツのクジラたち』。2021年本屋大賞を受賞した町田そのこさんの傑作小説。こちらも3月1日より映画版が公開され話題に。出演は杉咲花さん、志尊淳さん、西野七瀬さんら。同映画について書評家の大矢博子さんは《いや泣いたわ。映画が終わってしばらく目の焦点が合わなくなったくらい泣いた》と感想を述べている。また小説と映画の違いを《敢えて変えてきたんだろうな》とその理由を考察しながら、《それを踏まえてなお、これは間違いなく『52ヘルツのクジラたち』だと思わせる完璧な再現度だった》と評している。

1位『幾世の鈴 あきない世傳 金と銀 特別巻(下)』高田郁[著](角川春樹事務所)

明和九年(一七七二年)、「行人坂の大火」の後の五鈴屋ゆかりのひとびとの物語。八代目店主周助の暖簾を巡る迷いと決断を描く「暖簾」。江戸に留まり、小間物商「菊栄」店主として新たな流行りを生みだすべく精進を重ねる菊栄の「菊日和」。姉への嫉妬や憎しみに囚われ続ける結が、苦悩の果てに漸く辿り着く「行合の空」。還暦を迎えた幸が、九代目店主で夫の賢輔とともに、五鈴屋の暖簾をどう守り、その商道を後世にどう残すのかを熟考し、決意する「幾世の鈴」。初代徳兵衛の創業から百年を越え、いざ、次の百年へ──。(角川春樹事務所ウェブサイトより)

2位『変な家 文庫版』雨穴[著](飛鳥新社)

2024年3月15日より映画公開!雨穴デビュー作『変な家』ついに文庫化!設計士栗原による「文庫版あとがき」も追加収録(飛鳥新社ウェブサイトより抜粋)

3位『罪の年輪 ラストライン6』堂場瞬一[著](文藝春秋)

自分史上最高齢の容疑者と対峙する岩倉刑事87歳の元小学校教師が殺された。自首してきた同い年の男性は60年前からの知り合いだというが、なぜか動機だけは頑なに語らない。(文藝春秋ウェブサイトより)

4位『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ[著](中央公論新社)

5位『いわいごと』畠中恵[著](文藝春秋)

6位『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編11』衣笠彰梧[著](KADOKAWA)

7位『アルジャーノンに花束を〔新版〕』ダニエル・キイス[著]小尾芙佐[訳](早川書房)

8位『雷神』道尾秀介[著](新潮社)

9位『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』東野圭吾[著](光文社)

10位『リコリス・リコイル Recovery days』アサウラ[著]Spider Lily[原案・監修](KADOKAWA)

〈文庫ランキング 3月12日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2024年3月16日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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