なんで新人が電話に出なきゃいけないの? 新入社員が疑問に思う最初の難関「電話対応」に回答 人材育成コンサルタントが答える

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新人だからって誰よりも先に電話を取る理由がわからない…(写真はイメージです)

 新入社員としてオフィスワークをはじめた方は、率先して電話を取るように指導されることが多いのではないでしょうか? また、研修でも電話対応について教わることもあるでしょう。

 しかし、必要なことだとわかっていても自分以外に社員はいるし、なぜ新人ばかりが電話に出なければならないのだろう、と疑問に思ったことはありませんか?

 年齢や肩書によって電話対応を押しつけられる状態を「TELハラ」問題として取り上げられる昨今ですが、

「電話を受ける仕事を新人が任されるのには、理由があります」

 そう語るのは、2万人以上にビジネスマナーを教えてきた人財育成コンサルタントの山田千穂子先生です。

 いったいどんな理由があるのでしょうか?

 新入社員たちのヒアリングを基に、ビジネスマナーをわかりやすく説明した山田先生の著書『マンガで身につく仕事のマナー』(あさ出版)から、なぜ新人が電話に出る必要があるのか? そして電話が怖くて出られない人に向けた電話対応の基本を紹介します。

※本稿は『マンガで身につく仕事のマナー』を一部再編集した記事です


電話が怖いという人が増えている…

なんで新人が電話に出なきゃいけないのか?

 携帯電話中心の生活で家でも固定電話をあまり使わなくなったことから、「固定電話が苦手、怖い」という人が増えてきました。

 その理由としてよく聞かれるのが、携帯電話では(登録している人であれば)、誰からかかってきたかがすぐわかり安心して出ることができるけど、固定電話では(ナンバーディスプレイは別にして)、誰からかかってきたのかわからないから。

 さらに、新人の自分宛にかかってくるなんてまれ。自分宛でないとわかっている電話に出たくないし、出る必要もないのではないか。そう思っていませんか。

 電話は、お客様との大切な接点。

 会社を代表するものであり、会社のイメージを決定づける重要な役割を担っています。

 その電話を受ける仕事を新人が任されるのには、理由があります。

 それは、仕事の基礎能力をつけるこの時期に、電話を取ることで会社の仕事に慣れ、お客様を覚えていくため。そして実は、お客様にも「新人が入りました」と電話応対を通してあなたを紹介しているのです。

電話対応の基本をマスターすれば怖くない

 電話は、基本さえしっかりマスターしておけば、決して怖いものではありません。

 そのために、まずは「怖くない」ように環境を整えましょう。

(1)保留や転送の仕方など、電話機の機能をしっかり把握する
(2)請求の件なら経理部へなどというように、会社の仕組み、担当部署やテリトリーを理解し、電話をたらい回ししないようにする
(3)内線番号表・座席表を用意し、きちんと転送できるようにしておく
(4)会社案内や商品一覧など、会社情報のわかるパンフレット類を準備しておく

 なかでも、最も大切なのが、電話のポジション。利き手とは逆の手で取りやすい位置に置きましょう。

 なぜなら、ビジネス電話は、誰からかかってきて誰に取り次ぐべきか、伝言は何かなど、聞きながらメモを取る機会がたくさんあるからです。

 電話を通して、お客様と触れ合っているという意識を持って取り組みましょう。

山田千穂子(やまだ・ちほこ)
人材育成コンサルタント/おもてなし道(R)大学学長/株式会社おもてなし道代表取締役/岡崎女子大学・短期大学非常勤講師。損害保険会社で支店長秘書をしながら社員教育・代理店教育等を行う。退職後、人材派遣会社の研修講師として企業の人材育成研修を企画・実施、数多くの講師育成にも携わる。2007年3月、株式会社レインボーコミュニケーションを設立、代表取締役就任(2015年8月、株式会社おもてなし道に社名変更)。自らが提唱する「おもてなし道(R)」を礎に、人と企業のおもてなしを高める『人財』育成を実施。過去24年間で受講者数は2万人以上。丁寧な指導でおもてなし力を向上し、業績アップ・組織の活性化に貢献している。著書に『なんで挨拶しなきゃいけないの? マナーの「ナンデ」がわかる本』(あさ出版)、『ビジネスマナーの「なんで?」がわかる本 ~新社会人の常識 50問50答~』(講談社+α文庫)、『信頼される保育者のためのコミュニケーション・スキル』(西文社・共著)など。

あさ出版
2024年4月8日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

あさ出版

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