「等身大のEU」と「英国問題」の深層を描く

レビュー

1
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

EUはどうなるか

『EUはどうなるか』

著者
村上 直久 [著]
出版社
平凡社
ジャンル
社会科学/経済・財政・統計
ISBN
9784582858310
発売日
2016/11/17
価格
842円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

「等身大のEU」と「英国問題」の深層を描く

[レビュアー] 図書新聞

 英国のEU離脱(Brexit=Britain+exit)決定を受けて、欧州統合の将来を悲観視する“ユーロペシミズム”が広がった。中東などから流入する大量の難民や、テロ事件の続発で、EUのかじ取りに批判や不満が噴出し、英国の離脱がそれに拍車をかけた形である。著者は表層的な悲観論とは一線を画し、欧州における英国の位置やこれまでの統合の経緯、離脱交渉のゆくえを探り、「等身大のEU」を描き出す。英国の国民投票では、国家主権やEU予算への拠出など、EUの是非をめぐる直接的な問題だけでなく、EUを超えたグローバリゼーションの世界的問題である経済格差や社会的閉塞感が、国民の投票行動に影響したと著者は見る。「英国問題」の今後を見極めるための重要書だ。(11・15刊、二三二頁・本体七八〇円・平凡社新書)

図書新聞
2016年12月3日号(3281号) 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

図書新聞

  • このエントリーをはてなブックマークに追加