『身近な鳥のすごい事典』
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身近な鳥の入門書
[レビュアー] 図書新聞
どんな町を歩いていてもたいていスズメやカラスやハトを目にする。普段の生活のなかで、毎日目にしているといっても過言ではないだろう。すこし気にして見てみれば、ツバメ、ヒヨドリ、メジロやウグイスだって見ることができる。群れをなして飛んでいたり、木から木へ枝から枝へと飛び移ったり、鳴き交わす声だってきこえてくる。しかしそれらの鳥たちの生態や能力、そしてこれまで人々とどう関わってきたかの歴史については意外に知られてはいないだろう。本書はそんな、身近なところにいて名前だってほとんど誰もが知っているにもかかわらず、その身近過ぎるがゆえにかえって知られていない鳥たちについて教えてくれる鳥入門にはうってつけの一冊だ。日々歩いて通り過ぎるだけのつまらない道が、読後、鳥たちの生活する豊かな場所へと変化していることに気づかされる。小さいけれど「すごい事典」だ。(1・20刊、二〇八頁・本体八八〇円・イースト新書Q)