きむらゆういちさん 中高年に贈る大人の絵本

インタビュー

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そのままのキミがすき

『そのままのキミがすき』

著者
きむら ゆういち [著]/高橋 和枝 [訳]
出版社
あすなろ書房
ジャンル
文学/日本文学、小説・物語
ISBN
9784751528259
発売日
2017/02/09
価格
918円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

あなたなんてだいきらい

『あなたなんてだいきらい』

著者
きむら ゆういち [著]/高橋 和枝 [イラスト]
出版社
あすなろ書房
ジャンル
文学/日本文学、小説・物語
ISBN
9784751528266
発売日
2017/02/09
価格
918円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

きむらゆういちさん 中高年に贈る大人の絵本

[文] 産経新聞社


きむらゆういちさん

 □『そのままのキミがすき』『あなたなんてだいきらい』(高橋和枝絵)

 『あらしのよるに』で知られる絵本・童話作家、きむらゆういちが「大人の絵本」を書いた。デジタル時代だからこそ魅力が引き立つ温かい肌触り。直截(ちょくせつ)な愛情表現が苦手な中高年にも手にしてほしいという。

 男性から女性へ向けた『そのままのキミがすき』と女性から男性への『あなたなんてだいきらい』の2冊。ねことくまを主人公にして、欠点も短所もひっくるめて存在を丸ごと受け入れる愛の尊さを描く。愛らしい絵とあいまって、読み進めてゆくうちにじんわりと心が溶かされてゆく。

 「飾らない、ありのままの自分という存在を相手が認めてくれたらどれほどうれしいことか。好きで一緒になったカップルにも醒(さ)める時が来るでしょう。それを乗り越えて互いに分かり合う、認め合う。アイドルに憧れるような『恋』から『愛』に変わる過程こそが恋愛の醍醐味(だいごみ)。そんな絵本を書きたかった」

 日本人は愛情表現が下手だといわれる。特に結婚生活の長い中高年夫婦には、会話を交わすことすら減ってしまうことも。愛情が消えたわけではないのに…。

 「口に出しては言いづらいメッセージを絵本に託して伝える。そんな使い方もあると思う。バレンタインやホワイトデーにチョコやお菓子の代わりにプレゼントするとか。絵本は決して子供たちのためだけにあるのではありません」

 社会全体が急速にデジタルに移行し、紙メディアの危機が叫ばれて久しい。そんな時代だからこそ「絵本の効用」を信じている。

 「絵本というのは、単に『情報を伝えれば終わり』ではありません。子供のころに読んでくれたお父さんやお母さんの肌のぬくもりや思い出、いろんな“エピソード付き”です。ずっと手元に置いておきたい、何度も何度も読み返すという人もいます。本が売れない時代に生き残るのは絵本かもしれませんよ」(喜多由浩)(あすなろ書房・各850円+税)

                   ◇

【プロフィル】きむら・ゆういち

 昭和23年東京都出身。多摩美大卒。産経児童出版文化賞JR賞を受賞した代表作『あらしのよるに』は映画化、歌舞伎化された。

産経新聞
2017年3月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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