「作家と同時に、読んだ人間を動かし、次の時代の歴史に影響を及ぼす『歴史をつくる歴史家』」。著者がこう位置づける司馬さんの作品群から「歴史の本質」、読者へのメッセージを読み解く。
合理主義、リアリズムが時代を変革するさまを描いた「花神」「国盗り物語」、坂本龍馬や秋山真之ら並外れた存在を描き、喝采を得た「竜馬がゆく」「坂の上の雲」…。そして司馬さんが小説に描かなかった「鬼胎(きたい)の時代」(昭和前期)とは何だったのか-。
歴史学者が論じてこなかった「司馬遼太郎」に、人気歴史家が切り込んだ意欲作。(NHK出版新書・780円+税)
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2017年6月4日 掲載
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