[紀伊國屋じんぶん大賞2019 第10位]文字と組織の世界史―新しい「比較文明史」のスケッチ―

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文字と組織の世界史―新しい「比較文明史」のスケッチ―

[レビュアー] 伊藤恵理子(紀伊國屋書店・札幌本店)/高部知史(紀伊國屋書店・京都営業部)

【伊藤恵理子・札幌本店】
 西欧を中心として語られることの多い世界史。著者は世界の文明・歴史の変遷を“ラテン文字圏”“梵字圏”“漢字圏”などの「文字世界」として捉え展開していく。まるで世界史の教科書のようでもありボヤっと読んでいると、突然「そうつながるのか!」とピースがはまる瞬間が何度もある。古代〜現代に至るまでを網羅し、研究のみならず著者個人の歴史への関心の深さが随所にみられる世界の新しい見取り図。

【選 髙部知史】
 諸文明を「文字世界」、「支配組織」という単位に置換し、これまでのどの文明史観からも離れた新しい世界の見方を提示。西欧文明が台頭した経緯について説得力ある議論を展開、そして今後の展望を占います。その博覧強記ぶりにはただ驚かされます。新しいグランドセオリーの誕生!

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紀伊國屋じんぶん大賞2019

「紀伊國屋じんぶん大賞」は、「読者の皆さまと共に優れた人文書を紹介し、魅力ある『書店空間』を作っていきたい」との思いによって立ち上げられた人文書の賞。一般読者の方々からいただいたアンケートを元に、出版社、紀伊國屋書店社員による推薦を加味して事務局にて集計し、ベスト30を選定している。
※2017年12月~2018年11月(店頭発売日基準)に刊行された人文書を対象とし、2018年11月1日(木)~11月30日(金)の期間にアンケートを募りました
※当企画における「人文書」とは、哲学・思想/心理/宗教/歴史/社会/教育学/批評・評論に該当する書籍(文庫・新書含む)としております
※推薦コメントの執筆者名は、一般応募の方は「さん」で統一させていただき、選考委員は「選」 、紀伊國屋書店一般スタッフは「所属部署」を併記しています

紀伊國屋書店
2019年3月22日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

紀伊國屋書店

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