「文系AI人材」こそ、これからの時代に必要とされる理由

レビュー

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超実践!AI人材になる本

『超実践!AI人材になる本』

著者
大西可奈子 [監修]
出版社
学研プラス
ジャンル
社会科学/経営
ISBN
9784054068377
発売日
2021/09/16
価格
1,760円(税込)

書籍情報:openBD

「文系AI人材」こそ、これからの時代に必要とされる理由

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

プログラミング知識ゼロでもOK 超実践! AI人材になる本』(大西可奈子 監修、学研プラス)は、監修者のことばを借りるなら「非エンジニア」の人に本当に必要な情報をしっかり届けるべく書かれたもの。

そこにはひとつの理由が関係しているようです。

AIを理解しようとしても、「難しそう」「専門知識が求められるのでは?」といったイメージはどうしてもまとわりついてしまうものです。そのため、つい身構えたり敬遠したりしてしまうわけですが、実際にはプロジェクトに関わるほとんどの人に専門知識は不要なのだとか。

しかも多くの場合、初心者向けの概論書は実務に役立つものではなく、技術者向けの専門書は不親切。インターネット上にある情報も、内容や難易度はバラバラです。

そこで、「非エンジニア」の人に本当に必要な情報をしっかり届けたいという思いから本書が書かれたというのです。

本書には、非エンジニアがAIエンジニアと会話のキャッチボールをできるようになるための知識をぎゅっと詰め込んでみました。

デジタル技術でもっとも将来性のある「AI」にスポットを当て、「AIエンジニアと相談できる人材=文系AI人材」になることを目指します。(「はじめに」より)

監修者は本書において、AIプロジェクト成功の鍵を握るのは“文系AI人材”であると主張しています。

その理由を探るため、第1章「AIプロジェクトのキーパーソンは文系AI人材」内の「AIを使いこなせる人材になろう」に焦点を当ててみましょう。

AIの知識は「そこそこ」でかまわない

プログラマーでないのであれば、プログラムを書く必要はありません。当然のことではありますが、このことに関しては重要なポイントがあるようです。

ITやAI(人工知能)に関する技術がどんどん進化しても、新しいことを覚えなければならないのはプログラマーをはじめとするエンジニアのほうです。

あなたが非エンジニアであれば、「そこそこ知っている」を目指せば十分です。(17ページより)

この「そこそこ」とは、詳細は不明だが、“なにができるかはわかる”という状態。技術的なことはさっぱりわからなくても、「どんな意味がある技術なのか」を知っておけば大丈夫だということです。

たとえば、ソースコードが書けなければウェブデザイナーにはなれないでしょう。しかし、ウェブデザイナーに仕事をお願いし、ECサイトを運営することは十分に可能です。

ECサイトにおいて大切なのは、「どんな商品が売れるか」「どうすれば顧客を集められるか」を知っておくこと。そういった“ビジネスの勘どころ”さえわかっていれば、ウェブサイトを自分で制作できなくても問題はないということです。(17ページより)

現代ビジネスパーソンの必須スキルはAI

AIの進出と浸透によって、私たちの働き方や仕事の形態は大きく変化してきました。しかも進化はさらに続いていきますから、会社の規模や業種にかかわらず、今後もデジタル技術とは無縁ではいられません。

最近は「DX(デジタルトランスフォーメーション)」ということばを聞く機会も多くなりました。それは、「最新のデジタル技術を駆使した、デジタル化時代に対応するための企業の変革」という意味で使われています。

DXを推進するためには、デジタル技術を使うための基盤、体制、人材が必要。「デジタル技術」といっても多種多様ですが、そのなかでもっとも潜在能力があり、大きな期待が寄せられているのがAI。いわばAIは、デジタル技術の革新部分だということです。

欧米や中国で、AIを搭載したソフトウェアやシステムを開発するAIエンジニアが急増しているのはご存知のとおり。それは日本でも同じで、まだまだ人材は不足しているものの、これからはITエンジニアからの転身も増えていくだろうと著者は予測しています。

その一方で、AI事業を企画・推進できる「文系AI人材」は圧倒的に不足しています。(19ページより)

この場合の「文系AI人材」とは、非エンジニアで、AIプロジェクトを推進する役割を与えられた人のこと。

つまり専門技術の有無以前に、AIエンジニアとの間でバランスを保つ役割を担う人が求められているのでしょう。(18ページより)

AIをつくれない文系職にこそチャンスが

AIプロジェクトの成否は、文系AI人材とAIエンジニアの関係性によって決まるといっても過言ではないと著者はいいます。

コミュニケーションの状態がいつも良好で、なんでも気軽に相談できる関係であれば、プロジェクトが成功する確率が高まります。

一方、両者がきちんと向き合えない関係のときは、(能力が高くても)失敗する可能性が高いと言えます。 どんな内容のプロジェクトでも、この関係性はとても大切です。(19ページより)

AIエンジニアが最新技術を駆使してAIを搭載した新システムを開発したとしても、それが利益につながらなければビジネスとしては成立しません。ビジネスにならなければ開発コストも捻出できず、完成度の高いAIシステムをつくることが困難になります。

そうした理想と現実のギャップを埋めることこそが、文系AI人材の役割だということ。

著者いわく、文系AI人材とは「どんな商品・サービスなら売れるか」「どうすれば価値のある商品・サービスになるか」を知っている人。さらにいえば、それを実現するために、システムの設計をエンジニアに相談できる人。

そういう意味において、文系AI人材はAIプロジェクトを成功させるために不可欠なキーパーソンだということです。(19ページより)

AIエンジニアとコミュニケーションをとるために「最低限知っておくべき知識」が、この一冊で身につくと著者は断言しています。

本書を読めば、自分で提案書を書ける人になれるとも。なにかとわかりにくいAIプロジェクトを身近なものにするために、ぜひ参考にしたいところです。

Source: 学研プラス

メディアジーン lifehacker
2021年10月7日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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