『石仏の里に佇む静寂の寺 浄瑠璃寺の365日』
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『浄瑠璃寺の365日』佐伯功勝著
[レビュアー] 産経新聞社
9体の阿弥陀如来像が並ぶ九体(くたい)阿弥陀(国宝)を本尊とする浄瑠璃寺は、平安時代創建の古刹(こさつ)。奈良県境に近い京都府木津川市の山里にあり、歴史的にも奈良仏教と深いつながりがある。
この寺で生まれ育った住職によるエッセーが本書。寺の複雑な歴史、伽藍(がらん)の案内、秘仏の数々、湧水をたたえる池と季節の花々など幅広いテーマでつづられている。
平安後期に九体阿弥陀の造像が流行したが、当時の造像で現存するのは浄瑠璃寺のみ。平成30年度から5年をかけた修理が完了し、記念の特別展が奈良市の奈良国立博物館で9月3日まで開催されている。(西日本出版社・1870円)