ChatGPTをビジネスでもっと活用したい生成AI初心者に。なにができるか「基本のき」をレクチャー

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ChatGPT最強の仕事術

『ChatGPT最強の仕事術』

著者
池田 朋弘 [著]
出版社
フォレスト出版
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784866802367
発売日
2023/08/09
価格
1,870円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

ChatGPTをビジネスでもっと活用したい生成AI初心者に。なにができるか「基本のき」をレクチャー

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

新しい働き方を実現する手段として、「AIの活用」に焦点が当たるようになってずいぶん経ちます。AIを使うことで、時間と労力の節約、業務の効率化が可能になったわけです。また業務クオリティを向上させることにより、働き方改革を実現することもできるはず。

なかでもいまもっとも注目されているのが生成AIの「ChatGPT」。人類の仕事を大きく変える可能性のあるツールとして、大きな話題になっていることはご存知のとおりです。『ChatGPT最強の仕事術』(池田朋弘 著、フォレスト出版)の著者も、ChatGPTによって次のような成果が共有されていることを認めています。

・文章作成の効率が1.6倍になり、かつクオリティも高くなった

・カスタマーサポートでの対応速度が1.3倍になり、かつ顧客の評価も上がった

・業務プロセスの生産性が3倍になった

・これまで5日かかっていた仕事が半日で終わるようになった

(「はじめに」より)

しかしその一方、次のようなネガティブな声も存在します。

・ChatGPTはすごそうだけれど、具体的に何ができるのかよくわからない

・ChatGPTを使ってみたけれど、通りいっぺんの回答しか出なくて幻滅した

・ChatGPTは間違った情報を回答することがあるので信用できない

(「はじめに」より)

著者によれば批判的な声があがるのは、「ChatGPTがどんな業務でどう活用できるか」がうまく伝わっていないから。そこで本書では、ChatGPTの適切な活用シーンと活用方法を伝えることで、多くの方々の生産性を高め、より生き生きと仕事ができるようサポートしようとしているわけです。

きょうは序章「<基本編1>ChatGPTの基本」に焦点を当て、文字どおりの“基本”を確認してみることにしましょう。

ChatGPTとは

ご存知の方も多いと思いますが、ChatGPTはOpenAI(人工知能研究所)が開発したチャット型のAIツール。ちなみにOpenAIとは、起業家で現OpenAI CEOのサム・アルトマン、テスラ創業者のイーロン・マスク、LinkedIn創業者のリード・ホフマンなど、世界的に名だたる企業・起業家が出資して誕生した団体です。

ChatGPTは2022年11月末に公開され、リリース後2カ月で1億ユーザーを突破しました。TikTokやInstagramといった世界的なツール以上の史上最速ペースでの1億ユーザー超えです。(10ページより)

でも、なぜこれほどまでに大きな注目を集めているのでしょうか? 著者によればそれは、AIの回答精度がきわめて高いから。そのいい例が、大学入試の文章問題をChatGPTに解かせた結果、正解が返ってきたという事実。それはつまり、ChatGPTに問題を解いてもらえば大学に合格できてしまうということです。

それどころか最新版のGPT-4では、アメリカの司法試験において上位10%に入る点数を取れるレベルになっているのだといいます。(10ページより)

ChatGPTのさまざまな活用シーン

では、ChatGPTはどのような場面で活用すればよいのでしょうか? すでに多くの方がそのことについて模索しているわけですが、ここでは簡単なものがいくつか紹介されています。

<活用1>調べる

たとえば「オンラインイベントにたくさんの人を集める方法」を調べるとしましょう。いうまでもなく検索エンジンを使う場合は、「オンラインイベント」「集客」といったキーワードを入力し、検索結果をひとつずつ確認していく必要があります。

それに対し、ChatGPTを使うと以下のようになります。

User:オンラインイベントにたくさんの人を集める方法は?

ChatGPT:オンラインイベントにたくさんの人を集めるためには、以下のような方法を試してみることが効果的です。

1. ソーシャルメディアを活用する:イベントの詳細や参加方法をソーシャルメディア上で宣伝し、多くの人々に情報を広めることが重要です。イベントページを作成し、Twitter、Facebook、Instagramなどのプラットフォームで共有しましょう。

2. メールニュースレターを送信する:メールニュースレターを通じて、メーリングリストに登録している人々に直接情報を送ることができます。イベントの魅力や参加メリットを伝え、登録や参加の呼びかけを行いましょう。[以下省略](17ページより)

このようにChatGPTが保有しているデータから「オンラインイベントを開催して人を集める」方法を抽出してポイントをまとめてくれるわけです。そのため、自分で複数のサイトをチェックして情報を探す手間が省けるのです。情報の精度は粗いこともあるものの、大まかに調べるレベルであれば実用に耐えうるはず。

<活用2>考える

ChatGPTの回答に対し、追加で質問することも可能。例えば上記のオンラインイベントの集客の次に「オンラインイベントのゲストスピーカーにはどんな人を呼ぶべきか」などの質問を加えることもできるということ。

情報収集するだけの検索エンジンとは違い、「調べながら、質問を通じて理解を深める」ことができるのです。

<活用3>文章をつくる

たとえば「リモートワークのメリットについての記事をつくりたい」と入力したとすれば、ChatGPTは要望に沿って自動的に文章を作成してくれます。100%完璧な文章ではなく、最終的には自分で修正したりする必要もありますが、自分でゼロから考える手間は大きく省けるはず。

<活用4>プログラミングやExcel関数をつくる

ChatGPTは、プログラミングのソースコードをかなり高い精度でつくってくれるそうです。(16ページより)

ここでご紹介したのはほんの一部にすぎませんが、ChatGPTがいかに画期的なツールであるかは、本書を読み込んでいくほど理解できるはず。

しかもChatGPTは進化の激しい領域で今後も発展していくことは間違いないだけに、本書を通じて“現在地”を確認しておくべきかもしれません。

Source: フォレスト出版

メディアジーン lifehacker
2023年8月25日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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