『星野画廊50年史』
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『星野画廊50年史』星野桂三・星野万美子著
[レビュアー] 産経新聞社
美術館やギャラリーが集まる京都・神宮道の名物画廊主夫妻が、開店以来半世紀にわたる活動をまとめた。星野画廊は、実力がありながら歴史のすきまからこぼれ落ちた明治・大正・昭和前期の画家と作品を発掘し、世に紹介してきた。甲斐荘楠音(甲斐庄、かいのしょう・ただおと)や秦(はだ)テルヲ、不染鉄(ふせんてつ)-。今や日本の近代美術史において重要な地位を占める作家は数多い。展覧会への作品の貸し出しも積極的に行っている。
希代の目利きが豊富な写真、資料を交えてつづるエピソードには美術への熱がほとばしる。夫妻のコレクションと美術館で出合ったとき、見え方も変わってくるに違いない。(青幻舎・3960円)