『住吉公園と住吉さん』水内俊雄・小出英詞編著
[レビュアー] 産経新聞社
さかのぼること150年。明治6年、新政府は各府県に公園設置を通達。そのとき誕生した日本最初の公園の一つ、住吉公園(大阪市)の変遷を史料からひもとく。
「住吉さん」として親しまれている住吉大社の西側に広がる同公園は、元が大社の境内地。当初は神職が管理に関わり、土地をならすため砂の寄付を呼びかけたという。住吉さんへの信心の上にできたはずが、茶屋が乱立し、温浴施設付き大料亭まであったとは…。
古い平面図が面白い。現在は子供用遊具がある区画に謎の形をした「運動器」の絵が。ローラーならぬ「ローラスケート場」の文字が残る図も。(東方出版・4180円)