【気になる!】文庫『こんがり、パン』津村記久子、穂村弘ほか著

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こんがり、パン

『こんがり、パン』

著者
津村 記久子 [著]/穂村 弘 [著]
出版社
河出書房新社
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784309419824
発売日
2023/08/08
価格
880円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

【気になる!】文庫『こんがり、パン』津村記久子、穂村弘ほか著

[レビュアー] 産経新聞社

「もうパンのことしか考えられない」という津村記久子らパン好き作家らのエッセー40編を収録した。

江國香織が「幸福そのものだ、と思う食べ物」はフレンチトースト。草野心平が好んだバターに海苔(のり)のつくだになどを載せた和洋折衷トースト。山本一力が驚愕(きょうがく)した、キャベツでなく焼きそばが敷かれたコロッケパン。角田光代、群ようこはパン作りの効用を説き、立松和平は「私の家はパン屋さんだった」と書く。

どれも楽しく、食欲をそそる。一方で、少年時代の切ない飢餓経験をつづった開高健「パンに涙の塩味」は胸を打つ。(河出文庫・880円)

産経新聞
2023年10月15日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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