新社会人のための「仕事の教科書」は、働く大人のモチベションアップにも使える!

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社会人1年目「直前」の教科書 「驚異の新人」と呼ばれるために習得する100のメソッド

『社会人1年目「直前」の教科書 「驚異の新人」と呼ばれるために習得する100のメソッド』

著者
びっとらべる [著]
出版社
翔泳社
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784798179858
発売日
2023/10/06
価格
1,540円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

新社会人のための「仕事の教科書」は、働く大人のモチベションアップにも使える!

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

社会人1年目「直前」の教科書 「驚異の新人」と呼ばれるために習得する100のメソッド』(びっとらべる著、翔泳社)の著者は、IT業界で働きながら、インフルエンサーとしても活動している人物。

そうしたバックグラウンドを軸として、本書では、ストレスフリーに楽しく働くためのマインドやビジネススキル、人間関係で疲れないためのコミュニケーションのコツやさまざまな習慣術を紹介しているわけです。ちなみにその根底には、年齢に関係なく「学び続けたほうがいい」という思いがあるようです。

知識というのは誰にも奪われない「最強の武器」です。しっかりと効果的な知識を自分の身に纏い、人生常にワクワク、面白く生きていってください。

そして、自分の心を最優先にしてください。自分の身を犠牲にするような生き方、仕事の仕方は避けること。無理して働き続け、メンタルを壊し「うつ」になった同僚も何人も見てきました。あなたにはそうなってほしくありません。この時代を生き抜くために必須の「受け流すスキル」も合わせて身につけていただければ嬉しいです。(「はじめに」より)

著者は、「捉え方」が人生のキーポイントだと述べています。自分のなかでどう思考するか、どう捉えるか、どう解釈するかによって、ものごとの進み方は大きく変わるということ。

もちろんそれは仕事にもあてはまることで、ネガティブな気分のまま朝をスタートさせるか、前向きな気持ちで臨むかによって、仕事への姿勢も大きく変わるわけです。

自分なりに楽しいポイントを見つけ、その部分にフォーカスすると、楽しくモチベを高く維持したまま仕事に打ち込むことができます。

一日一日のほんの少しの意識の積み重ねが、後の人生に大きく影響していくため、日々どう思考するか、が非常に大切なのです。(「はじめに」より)

そんな本書の第4章「脅威の新人の『習慣術』」のなかから、2つのポイントをピックアップしてみましょう。

積極的に「ため息」をつく

「ため息をつく」ことには、ネガティブなイメージがあるかもしれません。しかし、ため息は身体にとって非常によい呼吸法なのだそう。「深く息を吸って、強く吐く」ことに、ストレスや緊張をほぐす効果があるというのです。

緊張している時は肩の力が抜けてラクになりますし、血液の流れが促進される効果もあり、副交感神経が活発になり自律神経のバランスが整い、怒りや興奮を鎮める感情のコントロールにも非常に効果的です。(160ページより)

仕事中、過度に緊張してしまったり、ストレスがたまったときなどには、意識的にため息をつけば区切りをつけやすくなるかもしれません。その結果、以後のモチベーションを維持しやすくなることも考えられます。また「怒り」にも効果的であるようで、イラっとしたときは深呼吸してみることを著者は勧めています。

怒りのピークは「6秒」と言われており、6秒待つと鎮静されると言われています。これは感情を抑制する脳の「前頭葉」という部分が働き始めるのに4〜6秒ほど時間がかかるため、「6秒ルール」というのが推奨されています。少しでも時間を置くことが感情コントロールの鍵です。(160〜161ページより)

意識したいポイントは、深く息を吸って、深く息を吐くこと。著者もイラッとしたときには積極的にため息(深呼吸)をしており、その効果を実感しているのだといいます。

背筋を伸ばし、姿勢を正し、肩を上げながら鼻から4秒かけて息を吸い、一気に肩の力を抜いて下げ、一緒に口から6秒かけて息を吐き出すようなため息がオススメです。(161ページより)

とはいえ当然のことながら、人前でため息をつきすぎると周囲の人を不快にしてしまう可能性も。そこで、できるだけ人のいない場所を選んだり、人に聞こえない程度につくなどの工夫をすることは必要。いずれにしても、「ため息は適度につく」ことが大切だというわけです。(160ページより)

If-thenプランニングの効果を最大限活用する

If-thenプランニングとは、習慣化テクニックの一つです。「もし〜なら(If)、そのときは〜(then)」というように事前に行動を決めておくという目標達成のための習慣化テクニックの一つです。

たとえば、「朝起きたら、すぐに歯を磨く」「もし筋トレをするなら、プロテインを飲む」「外に出たら、日焼け止めを塗る」というようなルールを作ります。この方法は心理学者のピーター・ゴルヴィツァー氏が研究しており、目標達成率を高めることが実証されています。(166ページより)

つまりIf-thenルールを決めて脳にインプットしておくことで、Aという行動をしたときに無理なくBという行動にも意識が向くということ。そのため、強い意志を持たなくても行動しやすくなるということのようです。

このIf-thenプランニングを実践するコツは、内容を具体的にすることです。時間、場所、状況などを明確にしておくと、その効果はより高まります。ノートに書いたり、スマホのアプリを活用し、決めたルールをいつでも確認できるようにしておくといいでしょう。(166ページより)

なおIf-thenプランニングは、仕事のみならず勉強やダイエット、禁酒や禁煙などにも効果的だといいます。

たとえば勉強の場合でいえば、「もし15時にスマホでゲームをしていたら、アプリを閉じて集中する」「電車に乗ったら英語のラジオを聴く」などと決めておけば、無駄な時間をつくることなく自分の成長のために時間を充てることが可能になるでしょう。そのため、目標達成率を上げることができるわけです。

つまりIf-thenプランニングを活用すれば、少しずつ無理なく習慣化することが可能になるということです。(166ページより)

タイトルにあるように、基本的には新社会人に向けて書かれた一冊。しかしその内容は、すべてのビジネスパーソンが活用できるものでもあるはず。初心に立ち返ってみるために、手にとってみてはいかがでしょうか?

Source: 翔泳社

メディアジーン lifehacker
2023年10月25日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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