『スポーツの日本史』谷釜尋徳著
[レビュアー] 産経新聞社
先史時代の弓矢を使った射技から近代スポーツまで、日本におけるスポーツの歴史を考察した。相撲や蹴鞠(けまり)、剣術、正月遊びの羽根つきなども取り上げている。
日本は明治以降に欧米から近代スポーツを取り入れたが、先史時代と古代にも大陸からスポーツが伝わった。縄文時代からあった弓矢と、古墳時代に高句麗の騎馬軍団に備えて学んだ騎馬技術を組み合わせて騎射競技が生まれた。西洋のポロの起源とされるペルシャ発祥の騎馬球戯は、古代日本にも伝来。庶民は馬に乗らず、テニスのように打具で打ち合ったという。スポーツの場面を描いた図版が楽しい。(吉川弘文館・1870円)