AAAを描いたドキュメント小説が3週連続1位 異例の売れ行きをみせる詩集が3位に【文芸書・ベストセラー】

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 9月26日~10月2日のAmazonの文芸書売り上げランキングが発表され、第1位は音楽グループAAAのドキュメント小説『あのとき、僕らの歌声は。』が獲得した。9月14日の発売以来、3週連続でのベストセラー1位となった。

 第2位は第155回芥川賞を受賞した村田沙耶香さんの『コンビニ人間』。第3位は『少年少女に希望を届ける詩集』がランクインした。同書は9月30日にNHK総合「NHKニュース おはよう日本(関東甲信越)」で取り上げられ話題となった詩集。谷川俊太郎、高村光太郎、武者小路実篤ら偉大な先達から、浅田次郎、あさのあつこ、西木正明、渡ひろこ、黒木アンら現代の作家や詩人、さらに尾木直樹、明石康など教育者や著名人などの詩が並んだ一冊だ。

1位『あのとき、僕らの歌声は。』AAA[著](幻冬舎)

 AAAデビュー11周年記念ドキュメント小説。 「これまでのAAAの活動で、もっとも記憶に残っている出来事はなんですか?」 メンバーへの個別インタビューを元に構成した、落涙必至のドキュメント小説、ここに完成! 今だからこそ伝えたい、大切な記憶がある――。 数多の挫折や痛みを乗り越えてきた7人の、希望と絆の物語。(幻冬舎ウェブサイトより)

2位『コンビニ人間』村田沙耶香[著](文藝春秋)

 36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて……。現代の実存を軽やかに問い、正常と異常の境目がゆらぐ衝撃のリアリズム小説。第155回芥川賞受賞。(文藝春秋ウェブサイトより抜粋)

 Book Bangでは写真家の長島有里枝さんと、文芸ジャーナリスト佐久間文子さん、書店員さんによる書評が掲載されている。
長島有里枝さん(写真家)レビュー

異質な自分をめぐって

社会生活のあらゆる場で、自分が「異質」だと思い知らされているのに、自分のなにが「悪い」のかはいつまでたってもわからない。芥川賞に決まったこの作品の主人公を通して、見えてくるのは自分にも馴染(なじ)み深い、そんな世界だ。…
https://www.bookbang.jp/review/article/516453

佐久間文子さん(文芸ジャーナリスト)レビュー

ひっそり異議を唱える芥川賞受賞作『コンビニ人間』

「コンビニ人間」と聞いて、あなたはどういう人間を想像するだろう。他人に都合よくつかわれる人? いつもコンビニにいる人? それともコンビニのご飯ばかり食べている人だろうか。
 本書の主人公、三十六歳独身の恵子はそのいずれにも当てはまる、べテランコンビニ店員である。一つの店舗に十八年という勤続期間の長さは「コンビニのバイト」というどこの街にもいる透明な存在に特別な重みを与え、バイト仲間や学生時代の友人からの「なぜ?」という質問を誘発してしまう。…
https://www.bookbang.jp/review/article/517103

渕書店さんレビュー

「人生それぞれ。何が悪い?ゴーゴー!!」

主人公の周囲に対する冷めた温度感は読者を妙に安定させる。清々しくて心地いい。社会学的見地から読めばまた別の読みかたも生まれるのであろうがそんな読み方はしなかった。彼女の生きざまを「障害」とみる見方もあるし、彼女の周囲はそう考えるわけだが――。…
https://www.bookbang.jp/review/article/517515

3位『少年少女に希望を届ける詩集』(コールサック社)

 詩人、作家、教育関係者などによる200人詩集。いまを生きる多感な少年少女へ、そっとエールをおくりたい。「教えるとは希望をともに語る語ること」(ルイ・アラゴン)。誰でもいつかは少年少女、そんな視点で心のうたをお届けします。学校で、塾で、電車の中で、家庭で読んでいただきたい1冊です。(コルサック社ウェブサイトより)

 4位以下は次の通り。

4位『蜜蜂と遠雷』恩田陸[著](幻冬舎)

5位『明日の食卓』椰月美智子[著](KADOKAWA)

6位『罪の声』塩田武士[著](講談社)

7位『田中~年齢イコール彼女いない歴の魔法使い~ 3 (GCノベルズ)』ぶんころり[著](マイクロマガジン社)

8位『カエルの楽園』百田尚樹[著](新潮社)

9位『日本核武装』高嶋哲夫[著](幻冬舎)

10位『陸王』池井戸潤[著](集英社)

Amazon文芸書売り上げランキングより 集計期間9月26日~10月2日〉

BookBang編集部

Book Bang編集部
2016年10月7日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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