SNSで「秀逸すぎる」と話題のコラム「編集手帳」その秘密に池上彰さんが迫る

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 タレントの伊集院光さん(49)が司会を務めるラジオ番組「伊集院光とらじおと」にジャーナリストの池上彰さん(66)が出演した。池上さんと竹内政明さんの共著『書く力 私たちはこうして文章を磨いた』(朝日新聞出版)がとりあげられ、ネット上でも話題となっている名コラム「編集手帳」についても触れられた。

■誰もがわかる「うなる文章の書き方」

『書く力』は池上彰さんと読売新聞の論説委員・竹内政明さんが、文章作法や文章の磨き方、誰が読んでもわかる、うなる文章の書き方について惜しみなく伝授した一冊。

 竹内さんは読売新聞の1面コラム「編集手帳」を担当する名文家。池上さんは「竹内さんがどうやって素晴らしい文章を書くのかなっていうのを聞きだしたいと思いまして」と同書を企画した意図を説明する。また同書には池上さんの文章トレーニング方法や、竹内さんから引きだした読ませる文章を書くためのヒントがたっぷり書かれていると解説した。

■簡潔でわかりやすい文章が求められる現代

 番組では池上さんが同書に収められた竹内さんの名文を紹介しながら、簡潔な文章の良さと大切さについて語られた。

 伊集院さんもそれを受け「まさにいまTwitterとかで物を書く商売じゃない皆さんが書ける時代になった。ただ恐ろしいもので短く文章を書くことは、とてつもなく能力がいるじゃないですか。そのお手本になる」とコメントした。

 続けて伊集院さんはネットニュースなどによくある短く扇情的なタイトルについても言及。「短い文章は勘違いしたままゆくこともあるので危険。『書く力』で勉強しないと」と文章を扱う誰もが参考になる一冊だと薦めた。

■すごすぎる「編集手帳」実例

 竹内さんといえば2月15日の「編集手帳」がいまネット上で大きな話題となっている。あるユーザーが「なんでこんなすごい文章がかけるんだ」と紙面を写しTwitter上に投稿した。その日のコラムは

〈国語辞典に収められた言葉には、ときに奇妙な隣人がいる。たとえば【新郎】は【心労】と【塵労】(=仏教で言う「煩悩」)に挟まれている〉(読売新聞 2017年2月15日朝刊より)

と辞典の単語の並びから話をはじめ、既婚ながら独身女性との披露宴を開こうとした福岡県警の巡査部長の事件に言及し、

〈“新郎”は、特大の煩悩で人を心労の極みに追いやった。〉

と皮肉り、ニュースの報じられた前日14日に絡め、

〈辞書の【バレンタインデー】にはなるほど、【破廉恥】という不届きな隣人がいる。〉

と時節の話題で締める。冒頭から最後まで一切無駄のない圧巻のコラムだ。「編集手帳」のコラム全文は読売新聞のウェブサイト「読売プレミア」で読むことができる。
http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/list_HENSHUTECHO

 そのコラムを読んだSNS上の人々は、

「秀逸すぎて言葉も出ない」
「上手な説法みたい」
「時事ネタに合わせた上に事件にもネタを合わせてる」

と驚愕し、『読売新聞のコラムが秀逸すぎて言葉も出ないと絶賛の嵐「何でこんなすごい文章が書けるんだ」』とのタイトルでまとめページまで作られる騒動となっている。

伊集院光とらじおと」は月曜から木曜朝8時30分よりTBSラジオにて放送中。

BookBang編集部

Book Bang編集部
2017年2月18日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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