「問題はロシアより、むしろアメリカだ」池上彰とエマニュエル・トッドの対話で明らかになった「アメリカの没落」[新書ベストセラー]

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 6月27日トーハンの週間ベストセラーが発表され、新書第1位は『堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法』が獲得した。
 第2位は『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』。第3位は『裁判官の爆笑お言葉集』となった。

 4位以下で注目は6位にランクインした『問題はロシアより、むしろアメリカだ 第三次世界大戦に突入した世界』。その発言が世界的に注目を集めるフランスの人口統計学者で歴史学者のエマニュエル・トッド氏と池上彰氏、初の対談本。月刊誌「文藝春秋」2022年5月号で「ウクライナ戦争の最大の責任はアメリカとNATOにある」と述べるなど、はやくからアメリカの責任を追求し続けてきたトッド氏。池上氏はその発言の真意に切り込みながら、アメリカが弱体化している証左をあげていく。アメリカが弱体化することで多極化が進み、その結果起こることとは? 多様化する世界で日本はどうすべきか? 二人の知の巨人の3日間にわたる濃密な対話を収めた一冊だ。

1位『堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法』堤未果[著](幻冬舎)

「ショック・ドクトリン」とはテロや大災害など、恐怖で国民が思考停止している最中に為政者や巨大資本が、どさくさ紛れに過激な政策を推し進める悪魔の手法のことである。日本でも大地震やコロナ禍という惨事の裏で、知らない間に個人情報や資産が奪われようとしている。パンデミックで空前の利益を得る製薬企業の手口、マイナンバーカード普及の先にある政府の思惑など……。強欲資本主義の巧妙な正体を見抜き、私たちの生命・財産を守る方法とは?滅びゆく日本の実態を看破する覚悟の一冊。(幻冬舎ウェブサイトより)

2位『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』今井むつみ[著]秋田喜美[著](中央公論新社)

日常生活の必需品であり、知性や芸術の源である言語。なぜヒトはことばを持つのか?子どもはいかにしてことばを覚えるのか?巨大システムの言語の起源とは?ヒトとAIや動物の違いは?言語の本質を問うことは、人間とは何かを考えることである。鍵は、オノマトペと、アブダクション(仮説形成)推論という人間特有の学ぶ力だ。認知科学者と言語学者が力を合わせ、言語の誕生と進化の謎を紐解き、ヒトの根源に迫る。(中央公論新社ウェブサイトより)

3位『裁判官の爆笑お言葉集』長嶺超輝[著](幻冬舎)

「死刑はやむを得ないが、私としては、君には出来るだけ長く生きてもらいたい」(死刑判決言い渡しの後で)。裁判官は無味乾燥な判決文を読み上げるだけ、と思っていたら大間違い。ダジャレあり、ツッコミあり、説教あり。スピーディーに一件でも多く判決を出すことが評価される世界で、六法全書を脇におき、出世も顧みず語り始める裁判官がいる。本書は法廷での個性あふれる肉声を集めた本邦初の語録集。これを読めば裁判員になるのも待ち遠しい。(幻冬舎ウェブサイトより)

4位『知らないと恥をかく世界の大問題14 大衝突の時代-加速する分断』池上彰[著](KADOKAWA)

5位『日本史を暴く 戦国の怪物から幕末の闇まで』磯田道史[著](中央公論新社)

6位『問題はロシアより、むしろアメリカだ 第三次世界大戦に突入した世界』エマニュエル・トッド[著]池上彰[著]大野舞[通訳](朝日新聞出版)

7位『脳の闇』中野信子[著](新潮社)

8位『完全版 ローマ人への質問』塩野七生[著](文藝春秋)

9位『カラー版 名画を見る眼II 印象派からピカソまで』高階秀爾[著](岩波書店)

10位『ウクライナ戦争の嘘 米露中北の打算・野望・本音』手嶋龍一[著]佐藤優[著](中央公論新社)

〈新書ランキング 6月27日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2023年7月1日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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