【児童書】『にじいろのネジ』安田真奈文、はりたつお絵

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【児童書】『にじいろのネジ』安田真奈文、はりたつお絵

[レビュアー] 産経新聞社

 ある日、世の中のさまざまな機械を支えているネジが一斉に町に飛び出した。ハグルマ姫と一緒に後をつけると、ネジ王子の仕業だと分かる。人間たちにこき使われるのは、もうたくさん。ネジの反乱にハグルマ姫は攻撃を加えるが…。

 大阪のゲーム制作会社、エンジンズとネジ専門商社のコノエが、子供たちにネジの大切さを伝えようと始めたプロジェクト「虹色のネジ」の一環として出版。映画作家の安田真奈監督のリズム感あふれる文章に、しまじろうの作画などを手がけるはりたつお氏が元気いっぱいの絵をつけた。ページの片隅には、読み聞かせをする大人へのガイドも付記されており、子供たちが楽しみながら学習できる仕組みになっている。

 現在は、大阪の一部の書店以外はアマゾンでの通信販売となっているが、「子供たちにネジに興味を持ってもらうワークショップを開くなど、絵本を手がかりにさらにプロジェクトを広げてゆく道筋ができれば」とエンジンズの広報担当、寺岡慎一さんは期待している。(象の森書房・800円+税)

 藤井克郎

産経新聞
2017年3月26日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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