国政がまともにまわっているのは独裁国家だけ? 民主主義VS全体主義による『第三次世界大戦』【新書ベストセラー】

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 3月28日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、新書第1位は『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』が獲得した。
 第2位は『応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱』。第3位は『それでもこの世は悪くなかった』となった。

 ノベルスランキングで1位に輝いたのは3月22日発売の『第三次世界大戦(5) 大陸反攻』。大石英司さんが作家人生で初めて取り組んだ「第三次世界大戦」シリーズの5作目。ロサンゼルスで起こった小さな銃撃戦が発端となり米中関係が一気に緊迫化。南沙海域でのいざこざにより日中関係も悪化。その後中国は極秘裏にハワイ「パールハーバー」を襲撃する。5作目となる今作では辛酸を舐めさせられてきた日米軍の巻き返しなるか? 現実の政治の世界を踏まえつつ手に汗握る物語が展開する。

 作者の大下さんは中央公論新社のウェブサイトで、中東の混乱、英国のEU離脱に加え、行き当たりばったりのトランプ政権や国有地払い下げ問題などで揺れる日本など、民主国家が軒並み政治的不安定に陥っていると述べる。そんななか国政がまともにまわっているのは「一党独裁で世論を押さえ込める中国と、そもそも世論など存在しない、国民の餓死などなんとも思わない北朝鮮だけだというのは皮肉な話です」と嘆いている。そして「民主主義は、果たして全体主義や独裁に打ち勝つことが出来るのか? 21世紀にもなって、こんな体たらくに陥るとは、思ってもみなかったことです」と本作のテーマともとれる悲痛な思いを呟いている。

■新書 ノンフィクションランキング

1位『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』ケント・ギルバート[著](講談社)

 日本人に「自虐史観のアホらしさ」を気づかせてくれたのはアメリカ人だった……ベストセラー連発、日本人より日本文化を深く知っているケント・ギルバートの新境地! 中国や韓国と上手に付き合うには、まず「自己中心主義」の大本たる儒教の本質を知り、そして日本は儒教国家でないことを認識すべし!!(講談社ウェブサイトより)

2位『応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱』呉座勇一[著](中央公論新社)

室町後期、諸大名が東西両軍に分かれ、京都市街を主戦場として戦った応仁の乱(一四六七~七七)。細川勝元、山名宗全という時の実力者の対立に、将軍後継問題や管領家畠山・斯波両氏の家督争いが絡んで起きたとされる。戦国乱世の序曲とも評されるが、高い知名度とは対照的に、実態は十分知られていない。いかなる原因で勃発し、どう終結に至ったか。なぜあれほど長期化したのか――。日本史上屈指の大乱を読み解く意欲作。(中央公論新社ウェブサイトより)

3位『それでもこの世は悪くなかった』佐藤愛子[著](文藝春秋)

人から見たら悲劇かもしれない人生。しかし、正々堂々、力いっぱい生きた私はいま、満足だ――こんな佐藤愛子は、どうしてできた? ワガママ盛りの6歳で聞いた乳母の言葉は、思えば初めての人生の教訓だった。以来、父・佐藤紅緑、母、先輩や友の影響を受けて出来上がったのは、「他人から理解されないばかりでなく、自分でも何かわけのわからない、ヘンな佐藤愛子」。そして二度の結婚に失敗、夫の借金に巻き込まれ、それでも人は幸福に生きられる!93歳、初の語り下ろし人生論。(文藝春秋ウェブサイトより)

4位『サイコパス』中野信子[著](文藝春秋)

5位『テレビじゃ言えない』ビートたけし[著](小学館)

6位『言ってはいけない 残酷すぎる真実』橘玲[著](新潮社)

7位『すべての教育は「洗脳」である 21世紀の脱・学校論』堀江貴文[著](光文社)

8位『雑談力 ストーリーで人を楽しませる』百田尚樹[著](PHP研究所)

9位『世界一美味しい煮卵の作り方 家メシ食堂 ひとりぶん100レシピ』はらぺこグリズリー[著](光文社)

10位『世界から格差がなくならない本当の理由』池上彰[著]「池上彰緊急スペシャル!」制作チーム[著](SBクリエイティブ)

■新書 ノベルスランキング

1位『第三次世界大戦(5) 大陸反攻』大石英司[著](中央公論新社)

中国軍の連度向上、ロシアの介入で多数の死者を出した米軍は、ハワイに新たな指揮官を投入した。「潰し屋」と悪名高いデレク・キング中将だ。苛烈な指揮官の下、日米軍の巻き返しは!?(中央公論新社ウェブサイトより)

2位『劇場版 黒子のバスケ LAST GAME』平林佐和子[著]藤巻忠俊[原作](集英社)

3位『十津川警部 雪とタンチョウと釧網本線』西村京太郎[著](集英社)

4位『双星の陰陽師 ―士牙繭闢―』田中創[小説]助野嘉昭[原作](集英社)

5位『青の祓魔師 スパイ・ゲーム』矢島綾[著]加藤和恵[原作・イラスト](集英社)

6位『裏切りの中央本線』西村京太郎[著](KADOKAWA)

7位『札沼線の愛と死 新十津川町を行く』西村京太郎[著](実業之日本社)

8位『東京喰種 トーキョーグール:re Novel[quest]』石田スイ[原作]十和田シン[著](集英社)

9位『眷愛隷属 白狐と貉』夜光花[著](リブレ)

10位『僕のヒーローアカデミア(2) 雄英白書』堀越耕平[原作]誉司アンリ[小説](集英社)

〈新書 ノンフィクション / 新書 ノベルス ランキング 3月28日トーハン調べ〉

BookBang編集部

Book Bang編集部
2017年4月1日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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