アラサー女子がえぐられるマンガ「身に覚えがありすぎて、共感しすぎて、胸がいたい」

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 6月6日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、単行本 ノンフィクション・教養書他第1位は『九十歳。何がめでたい』が獲得した。
 第2位は『アラサーちゃん 無修正(5)』。第3位は『うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち』となった。

 2位にランクインした『アラサーちゃん 無修正(5)』はアラサー世代の女性の恋愛観・SEX観が満載のコミック。これまでにシリーズ累計で50万部を突破している。

 早稲田大学文化構想学部助教のトミヤマユキコさんは文芸誌「yom yom」で連載中の「たすけて! 女子マンガ」のなかで、アラサーちゃんシリーズについて「アラサーちゃんが『モテと自我の狭間で立ち位置をきめかねている』キャラだと知って、そのリアルさに舌を巻いた。20代ならばさして悩まなかったモテと自我のバランスが徐々に崩れてゆくアラサーならではの不安感を、この設定はとてもよくあらわしている」と絶賛している。

 また「『若い女』という仮面の下に厄介な自我を押し込めていればそれなりにモテた20代とアラサーとでは、事情が違うのだ。仮にマニュアル通りの言動でモテても、そんなの空疎すぎて、30年モノの自我が納得しない。かといって、自我をそのまま表に出せば、若さというオブラートがない分、モテは遠のく」とアラサー女子の心境を分析する。そして同作で語られるアラサー女子ならではの行動やエピソードに「身に覚えがありすぎて、共感しすぎて、胸がいたい」とアラサー女子の心に響く作品であると解説している。

https://www.bookbang.jp/tomiyamayukiko/article/79

1位『九十歳。何がめでたい』佐藤愛子[著](小学館)

『九十歳。何がめでたい』というタイトルには、佐藤愛子さん曰く「ヤケクソが籠っています」。2016年5月まで1年に渡って『女性セブン』に連載された大人気エッセイに加筆修正を加えたものです。大正12年生まれ、今年93歳になる佐藤さんは2014年、長い作家生活の集大成として『晩鐘』を書き上げました。一度は下ろした幕を再び上げて始まった連載『九十歳。何がめでたい』は、「暴れ猪」佐藤節が全開。自分の身体に次々に起こる「故障」を嘆き、時代の「進歩」を怒り、悩める年若い人たちを叱りながらも、あたたかく鼓舞しています。ぜひ日本最高峰の名エッセイをご堪能ください。(小学館ウェブサイトより抜粋)

2位『アラサーちゃん 無修正(5)』峰なゆか[著](扶桑社)

結婚を決めたアラサーちゃん、妊娠が発覚したサバサバちゃん、恋も仕事もどん詰まりのゆるふわちゃん。選んだものと選べなかったもの。悩めるアラサー女子の明日はどっち!?(扶桑社ウェブサイトより)

3位『うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち』田中圭一[著](KADOKAWA)

著者自身のうつ病脱出体験をベースにうつ病からの脱出に成功した人たちをレポート。うつ病について実体験から知識を学べ、かつ悩みを分かち合い勇気付けられる、画期的なドキュメンタリーコミック!(KADOKAWAウェブサイトより)

4位『「凜とした魅力」がすべてを変える フランス人は10着しか服を持たない ファイナルレッスン』ジェニファー・L・スコット[著]神崎朗子[訳](大和書房)

5位『女と男の品格。』伊集院静[著](文藝春秋)

6位『いのちの車窓から』星野源[著](KADOKAWA)

7位『こころの匙加減』髙橋幸枝[著](飛鳥新社)

8位『弘兼流 60歳からの手ぶら人生』弘兼憲史[著](海竜社)

9位『どんな時でも人は笑顔になれる』渡辺和子[著](PHP研究所)

10位『虹色のチョーク 働く幸せを実現した町工場の奇跡』小松成美[著](幻冬舎)

〈単行本 ノンフィクション・教養書他ランキング 6月6日トーハン調べ〉

BookBang編集部

Book Bang編集部
2017年6月10日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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