アメトーークで注目 『臣女』と新刊『回遊人』の関連性に言及〈吉村萬壱インタビュー動画〉

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 テレビ朝日系バラエティ番組「アメトーーク!」で放送された「読書芸人」で光浦靖子が紹介した『臣女』の著者・吉村萬壱のインタビュー動画が、旭屋書店運営の動画投稿サイト「本TUBE」に掲載された。

 インタビューでは、新刊の『回遊人』(徳間書店)について語られたほか、「『臣女』を書いたものの、夫婦ってそんなにピュアなだけじゃないかもしれないって思って、『臣女』に書ききれなかった部分を『回遊人』で書いたみたいな感じですね」と2014年に刊行した『臣女』との関連性について言及されている。

『回遊人』は、妻子との生活に行き詰まりを感じて出奔した男が、ドヤ街で手に入れた錠剤を飲み、結婚する10年前の世界に戻ってしまう物語。作中で床に落ちていた錠剤を飲んでしまうシーンについて、著者の吉村はインタビューで「プチ家出をして、ある中華料理屋の床に落ちているカプセルを何かすごい薬かもしれないと思って、お酒と一緒に飲んだんですよね。とにかく小説で行き詰まってたので…。その時に友達の作家さんに遺書みたいなものを書きました。何ともなかったですけどね」と実話を元にしたことを明かしている。

 翻訳家の都甲幸治さんは『回遊人』について、新潮社発行の週刊誌「週刊新潮」(2017年10月26日号)で、「男の業を描いた本作に、僕は車谷長吉以降の関西文学の本流を感じた」と評している。( https://www.bookbang.jp/review/article/540577

 著者の吉村は、1961年愛媛県生まれ。京都教育大学卒業後、2001年に「クチュクチュバーン」で第92回文學界新人賞を受賞しデビュー。2003年に「ハリガネムシ」で第129回芥川龍之介賞を受賞する。2016年『臣女』で第22回島清恋愛文学賞受賞。著書に『バースト・ゾーン 爆裂地区』『独居45』『ボラード病』『生きていくうえで、かけがえのないこと』などがある。

■本TUBEとは
旭屋書店運営する動画投稿サイト。作家のインタビューや対談、一般ユーザーからのおすすめの本を動画で紹介しているほか、読んだ本を記録できる本棚機能も提供している。
http://www.hon-tube.com/pc/top.php

2017年11月17日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです
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