「映画本大賞 2017」ベスト・テン 第1位は『田中陽造著作集 人外魔境篇』

文学賞・賞

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 雑誌「キネマ旬報」が毎年、前年度に出版された映画に関する書籍の中からベスト・テンを選出する「映画本大賞」が発表された。2017年度の第1位は、田中陽造さんの『田中陽造著作集 人外魔境篇」(文遊社)が選ばれた。

『田中陽造著作集 人外魔境篇』は、「ツィゴイネルワイゼン」「魚影の群れ」「居酒屋ゆうれい」などで知られる鬼才脚本家・田中陽造の映画や自作のエッセイ、映画公開時のインタビュー、幻の連載「異能人間」など50年に渡る著作を集成した一冊。

 映画評論家の浦崎浩實さんは、《田中陽造は反近代的作家であり、本書中の異能者(あるいは異端者)を取り上げる筆致は、同化せんばかりの迫真性で読者を圧倒する》(東京新聞・書評)と評している。( https://www.bookbang.jp/review/article/536713

 田中陽造さんは1939年東京生まれ。鈴木清順、大和屋竺らと脚本家グループ「具流八郎」で活動し、「殺しの烙印」の脚本を共同執筆する。1970年代から日活ロマンポルノの中心的な脚本家として活動する。代表的な脚本作品に「花と蛇」「肉体の門」「セーラー服と機関銃」「めぞん一刻」「夏の庭 The Friends」「最後の忠臣蔵」などがある。

 今年で14回目を迎える同賞は、映画本を改めて読者に紹介することで“映画を見る楽しみ”に留まらず、“映画を読む楽しみ”や“芸術を知る楽しみ”を伝え、映画文化に貢献することを目指して設けられた。映画雑誌「キネマ旬報」が毎年、前年度に出版された映画に関する書籍の中からベスト・テンを選出する。選考は、批評家、映画評論家、記者、書店員、編集者など24名の映画の専門家によって行われる。「キネマ旬報 映画本大賞2017」のベスト・テンは以下の通り。

第1位『田中陽造著作集 人外魔境篇』田中陽造[著]文遊社
第2位『日活1971-1988 撮影所が育んだ才能たち』ワイズ出版編集部[編]ワイズ出版
第3位『無冠の男 松方弘樹伝』松方弘樹/伊藤彰彦[著]講談社
第4位『映画の乳首、絵画の腓 AC2017』滝本誠[著]幻戯書房
第4位『ジャック・ドゥミ+ミシェル・ルグラン シネマ・アンシャンテ』山田宏一/濱田高志[著]リットーミュージック
第4位『「昭和」の子役 もうひとつの日本映画史』樋口尚文[著]国書刊行会
第7位『「男はつらいよ」を旅する』川本三郎[著]新潮社
第8位『日本映画は信頼できるか』四方田犬彦[著]現代思潮新社
第9位『日本ヘラルド映画の仕事 伝説の宣伝術と宣材デザイン』谷川建司[著]パイ インターナショナル
第10位『岸田森 夭逝の天才俳優・全記録』武井崇[著]
洋泉社
※第4位は3冊同点

Book Bang編集部
2018年5月9日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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