『明日への一歩』津村節子著

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明日への一歩

『明日への一歩』

著者
津村 節子 [著]
出版社
河出書房新社
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784309026640
発売日
2018/04/24
価格
1,760円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

『明日への一歩』津村節子著

[レビュアー] 産経新聞社

 平成18年に逝った夫、吉村昭と半世紀以上にわたった作家同士の夫婦の歩み、文学の師、友との日々を振り返る41編のエッセー集。吉村の手紙から結婚当初を振り返るくだりでは、生活に困り、旅先で「死んでしまおうか」と漏らしたことなど、苦難のなかから作品を紡いできた思いをしのばせる。

 夫亡き後も、外出先や家で〈よく一人で喋(しゃべ)っている〉かと思えば、愛しい故郷・福井のふがいなさに〈私は怒っているのである〉と愛ある叱咤(しった)の意気軒高ぶり。

 〈生きている限りペンをはなすことはないだろう〉-。あとがきに記す著者の決意は頼もしい。(河出書房新社・1600円+税)

産経新聞
2018年6月17日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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