2018年ビジネス書のトレンドは「アホやバカとは戦うな」 怒らないコツを掴み自分の人生を楽しもう

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 12月4日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、ビジネス書第1位は『バカとつき合うな』が獲得した。
 第2位は『頭に来てもアホとは戦うな! 人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法』。第3位は『新世界』となった。

 2位の『頭に来てもアホとは戦うな! 人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法』は11月30日に発表されたトーハンの2018年年間ベストセラーの単行本ビジネス書部門では1位に輝いている。2014年に発売された書籍ながら、2017年末から注目が集まり今年2月にはTBS系バラエティ番組「林先生が驚く初耳学!」で取り上げられ大きな話題に。1年間売れ続け発行部数は60万部を突破している。

 同書は正義感にまかせ「アホ」と戦うのは無駄だと説く。貴重な時間をアホと戦うのに費やすのではなく、自分と向き合い、本当にやりたいことに集中すべきだと主張する。誰かをアホだと感じても敵だとみなさず、懐に入り込み利用するのが得策と「非戦」と「処世」を同時に説いていることも特徴的だ。

 今週1位の堀江貴文さんと西野亮廣さんの初共著『バカとつき合うな』は二人が世の中に溢れる28種類の「バカ」をあげ、彼らを遠ざけ自由になろうと説く。同書が特徴的なのは「悪いバカ」の真似をせず、失敗を恐れず行動する「いいバカ」になろうと説いている部分だ。

 また10月に発売された『怒らないコツ 「ゆるせない」が消える95のことば』(自由国民社)はシリーズ40万部を突破した植西聰さんの人気シリーズの最新刊。同書の中で植西さんは「逃げるが勝ち」ということわざを取り上げ《「逃げる」ということを恥に思う必要はありません。(中略)逃げることによって、怒りの感情に振り回されることなく、穏やかに生きて行けるのですから、それは自分の人生にとって「勝ち」なのです》と説いている。

 様々な業界で数々の不祥事や暴力事件が発覚した2018年。SNSでの炎上や怒りのコメントなども数多く目にした。しかし一方でベストセラーとなったこれらの本が教えてくれるのは「アホ」や「バカ」と正面切って戦うことではなく、「非戦」や「逃げる」ことだ。怒りに任せ無駄な戦いに時間を費やすことではなく、本当に自分のやりたいことに時間を使う。それこそが大切なことだと多くの読者はわかっている、ということだろう。

1位『バカとつき合うな』堀江貴文、西野亮廣[著](徳間書店)

あなたは自由になるべきだ。なぜ自由でないのか? 答えは簡単。バカとつき合っているからだ! いま日本で一番自由に活躍するふたり、ホリエモンとキンコン西野による初の共著! 新時代を生きる28の最強の教え!(徳間書店ウェブサイトより)

2位『頭に来てもアホとは戦うな! 人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法』田村耕太郎[著](朝日新聞出版)

社内の人間関係や争いにやきもきするのは、時間とエネルギーの無駄。人間の負の感情にとらわれず、淡々と成果を出す。それがグローバル人材の最低条件だ。人間関係に悩むすべてのサラリーマンにおくる画期的仕事論。(朝日新聞出版ウェブサイトより)

3位『新世界』西野亮廣[著](KADOKAWA)

「キミに必要なモノは『勇気』なんかじゃない。『情報』だ」常に挑戦を続け、常に注目を浴び続け、本を出版すれば全作ベストセラー。同世代を中心に圧倒的な支持を集め、自身が運営するオンラインサロンは国内最大。時代を牽引する革命家・西野亮廣が語る「一歩踏み出す為に必要な情報」とは? そして、西野亮廣が見た『新世界』とは? 今、世の中で何が起きていて、二年後に何が起きるのか? 西野亮廣がキミに語りかける、“学校では教えてくれない”これからの時代の生き方。「大丈夫。まだ間に合う」(KADOKAWAウェブサイトより)

4位『学びを結果に変えるアウトプット大全』樺沢紫苑[著](サンクチュアリ出版)

5位『ポケット版「のび太」という生きかた』横山泰行[著](アスコム)

6位『会社四季報 業界地図 2019年版』東洋経済新報社[編][著](東洋経済新報社)

7位『1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術』伊藤羊一[著](SBクリエイティブ)

8位『日本の論点 2019~20』大前研一[著](プレジデント社)

9位『できる人は必ず持っている一流の気くばり力』安田正[著](三笠書房)

10位『1%の成功をつかむ、99%の準備力』霜田正浩[著](朝日新聞出版)

〈単行本 ビジネス書ランキング 12月4日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2018年12月8日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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