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- 飛族
- 価格:2,200円(税込)
第55回谷崎潤一郎賞が19日に発表され、村田喜代子さんの『飛族』(文藝春秋)に決まった。
受賞作『飛族』は、朝鮮との国境近くの島で暮らす92歳と88歳の老女を描いた長編小説。二人の老女の生活と不思議な儀式を描きながら、離島の問題点や重要性を浮かび上がらせた作品となっている。
文芸ジャーナリストの佐久間文子さんは、本作について「島で暮らす女たちの物語を読みながら、海風や波をじかに受けるように、絶えずこころを揺さぶられていた。それはたぶん本書が、かろやかに境界を越える小説だからだろう」(週刊新潮・書評)と評している。
(https://www.bookbang.jp/review/article/566150)
著者の村田喜代子さんは、1945年福岡県生まれ。1985年に自身のタイプ印刷による個人誌「発表」を創刊。1987年に「鍋の中」で芥川賞を受賞する。1990年に「白い山」で女流文学賞を、1992年に「真夜中の自転車」で平林たい子賞を、1998年に「望潮」で川端康成賞を受賞した。その他著書に『花野』『蟹女』『龍秘御天歌』『八幡炎炎記』『屋根屋』『故郷のわが家』などある。
受賞作の選評は、10月10日発売の「中央公論」(11月号)に掲載される予定。なお、贈賞式は10月9日に東京・丸の内の東京会館で行われる。
「谷崎潤一郎賞」は、中央公論新社が創業80周年を記念して1965年に創設した文学賞。明治・大正・昭和を通じて、幅広いジャンルで活躍した谷崎の業績にちなみ、時代を代表する優れた小説・戯曲に与えられる。第55回の選考委員は、池澤夏樹、川上弘美、桐野夏生、筒井康隆、堀江敏幸の5氏が審査を務めた。
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