「手の内がわかってても騙される!」 伊坂幸太郎の傑作ミステリ『ホワイトラビット』がベストセラー

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 6月30日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、文庫第1位は『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編(2)』が獲得した。
 第2位は『ホワイトラビット』。第3位は『あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続』となった。

 2位の『ホワイトラビット』は伊坂幸太郎さんが2017年に発表した描き下ろし長編ミステリ。複数の事件が同時並行的に語られ、魅力的で個性的な登場人物の思いが錯綜しつつ、いつしか物語が一本の糸となる。「伊坂マジック」と呼ばれる特徴的な構成に、発表時誰もが舌を巻いた傑作ミステリ。

 書評家で翻訳家の大森望さんは《いやもう、惚れ惚れする腕の冴え。世界レベルのステージ・マジックというか、タネも仕掛けもちゃんとあるのに、見せ方が鮮やかすぎて全然気づかず、「え!? これ手品だったの!?」とびっくり仰天する感じ。》と絶賛し、作中で次々と手の内が明らかになりつつも、《それでもきれいにお客を騙してみせるプロの技を見よ》と読者に呼びかけている。
https://www.bookbang.jp/review/article/540956

 またタレントの東野幸治さんが2017年11月に放送されたテレビ朝日系バラエティ番組「アメトーーク!」の「読書芸人」企画で「2017年の好きな本」の一冊に選出している。
https://www.bookbang.jp/article/542108

1位『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編(2)』衣笠彰梧[著]トモセシュンサク[イラスト](KADOKAWA)

「オレはおまえが退学になることは絶対に許さない」 新1年生の仕掛けを回避した綾小路。だが「取れるはずのない満点を綾小路が取った。俺は……手品を見てるみたいだ」数学試験の満点獲得が波紋を広げる。そんな中、試験の結果を受け堀北鈴音が生徒会入りを要望する。来るもの拒まずの南雲はそれを受け入れるものの色々な思惑が絡むようで……。 軽井沢との仲が少しずつ深まるなど、状況が変化を迎える中、全学年で競いあう無人島サバイバル試験の夏休み開催が発表された。戦いはグループ戦で上位3グループに莫大な報酬が与えられる一方、下位グループは退学ペナルティを受ける。前哨戦として上陸前にグループ作りが許可された結果、全クラスを巻き込んだ人材獲得合戦が始まる!(KADOKAWAウェブサイトより)

2位『ホワイトラビット』伊坂幸太郎[著](新潮社)

兎田孝則は焦っていた。新妻が誘拐され、今にも殺されそうで、だから銃を持った。母子は怯えていた。眼前に銃を突き付けられ、自由を奪われ、さらに家族には秘密があった。連鎖は止まらない。ある男は夜空のオリオン座の神秘を語り、警察は特殊部隊SITを突入させる。軽やかに、鮮やかに。「白兎事件」は加速する。誰も知らない結末に向けて。驚きとスリルに満ちた、伊坂マジックの最先端!(新潮社ウェブサイトより)

3位『あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続』宮部みゆき[著](KADOKAWA)

三島屋の主人伊兵衛は、傷ついた姪の心を癒やすため、語り捨ての変わり百物語を始めた。悲しみを乗り越えたおちかが迎える新たな語り手は、なじみの貸本屋「瓢箪古堂」の若旦那勘一。彼が語ったのは、読む者の寿命を教える不思議な冊子と、それに翻弄された浪人の物語だった。勘一の話を引き金に、おちかは自身の運命を変える重大な決断を下すが……。怖いけれども癖になる。三島屋シリーズ第五弾にして、第一期の完結編!(KADOKAWAウェブサイトより)

4位『Re:ゼロから始める異世界生活(23)』長月達平[著]大塚真一郎[イラスト](KADOKAWA)

5位『ケーキ王子の名推理(スペシャリテ)(5)』七月隆文[著](新潮社)

6位『大河の一滴』五木寛之[著](幻冬舎)

7位『新酒番船』佐伯泰英[著](光文社)

8位『緋弾のアリア(33)花冠の帰還兵』赤松中学[著]こぶいち[イラスト](KADOKAWA)

9位『カエルの楽園2020』百田尚樹[著](新潮社)

10位『青くて痛くて脆い』住野よる[著](KADOKAWA)

〈文庫ランキング 6月30日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2020年7月4日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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