稲垣吾郎が絶賛「本当に怖くなった!」年末ミステリランキング三冠獲得『屍人荘の殺人』

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 5月8日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、単行本 文芸書第1位は『オーバーロード(13) 聖王国の聖騎士(下)』が獲得した。
 第2位は『かがみの孤城』。第3位は『あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続』となった。

 4位以下で注目は9位にランクインした『屍人荘の殺人』。2017年末に発表された「このミステリーがすごい!2018年版」「週間文春ミステリーベスト10」「2018本格ミステリ・ベスト10」全てで1位を獲得するという快挙を成し遂げた一冊だ。著者の今村昌弘さんはこの作品がなんとデビュー作。今ミステリ界で最も注目されている作家だ。同作の分類は、孤島や雪山の山荘など隔絶された場所で起こる事件を扱ういわゆる「クローズド・サークルもの」。ミステリ界ではネタは出尽くしたかと思われていたパターンでありながら、新しいクローズド・サークルを生み出したと話題の一作だ。

 今村さんは5月4日読書バラエティ番組「ゴロウ・デラックス」(TBS系)に出演。文芸やミステリにあまり馴染みのなかった今村さんがいかにベストセラーミステリを書き上げたのか、その手法が公開された。今村さんはまず月に100冊を目標にミステリ小説を読み漁ったという。それと同時に綾辻行人や有栖川有栖などミステリ界の大御所の作品の構造を詳細に分析し、ノートに書き留めた。そして自分の作品も詳細なプロットを先に決め、書きあげた後も作品を読み返しながら書き直すべき部分をチェックリストにしたためた。そこを順番に潰しながら作品の完成度をあげたという。もともと理系で放射線技師だったという今村さんの理系的アプローチに番組司会の稲垣吾郎さんも「患者さんを分析するみたいに物語を!」と驚いていた。また稲垣さんは同作について「部屋で一人で読んでて本当に怖くなった」とコメント。番組最後には「僕のイメージで書いてください」と自身を犯人にした作品の執筆をお願いしていた。

1位『オーバーロード(13) 聖王国の聖騎士(下)』丸山くがね[著](KADOKAWA)

四万の亜人連合の軍勢に包囲された聖王国。聖王国最強の聖騎士レメディオスの指揮のもと、防衛作戦が実行されるも疲弊した人間軍は亜人の蹂躙を止められない。王としての約束を果たすため、魔導王アインズは魔皇ヤルダバオトとその配下メイド悪魔にたった一人で立ち向かう。そして―― 紅蓮の炎につつまれた聖王国は救済されるのか――正義に導かれる13巻。(KADOKAWAウェブサイトより)

2位『かがみの孤城』辻村深月[著](ポプラ社)

あなたを、助けたい。学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた――なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。一気読み必至の著者最高傑作。(ポプラ社ウェブサイトより)

3位『あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続』宮部みゆき[著](KADOKAWA)

江戸は神田の筋違御門先にある袋物屋の三島屋で、風変わりな百物語を続けるおちか。塩断ちが元凶で行き逢い神を呼び込んでしまい、家族が次々と不幸に見舞われる「開けずの間」。亡者を起こすという”もんも声”を持った女中が、大名家のもの言わぬ姫の付き人になってその理由を突き止める「だんまり姫」。屋敷の奥に封じられた面の監視役として雇われた女中の告白「面の家」。百両という破格で写本を請け負った男の数奇な運命が語られる表題作に、三島屋の長男・伊一郎が幼い頃に遭遇した椿事「金目の猫」を加えた選りぬき珠玉の全五篇。人の弱さ苦しさに寄り添い、心の澱を浄め流す極上の物語、シリーズ第一期完結篇!(KADOKAWAウェブサイトより)

4位『青くて痛くて脆い』住野よる[著](KADOKAWA)

5位『魔力の胎動』東野圭吾[著](KADOKAWA)

6位『おらおらでひとりいぐも』若竹千佐子[著](河出書房新社)

7位『殺戮の天使(3) ONCE IN A BLUE MOON』木爾チレン[著]真田まこと[原作](KADOKAWA)

8位『コーヒーが冷めないうちに』川口俊和[著](サンマーク出版)

9位『屍人荘の殺人』今村昌弘[著](東京創元社)

10位『ゲート SEASON2(2)謀濤編 自衛隊 彼の海にて、斯く戦えり』柳内たくみ[著](アルファポリス発行/星雲社発売)

〈単行本 文芸書ランキング 5月8日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2018年5月12日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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