日本史の教科書がつまらない理由とは 古市憲寿が提案する『絶対に挫折しない日本史』

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 9月29日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、新書第1位は『感染症の日本史』が獲得した。
 第2位は『還暦からの底力 歴史・人・旅に学ぶ生き方』。第3位は『ケーキの切れない非行少年たち』となった。

 4位以下で注目は4位にランクインした『絶対に挫折しない日本史』。古市憲寿さんが日本史を「面白く」読めるように描いた一冊。同書は二部構成で第一部は「ニッポン全史」。第二部では「コメ」「家族」「戦争」など特定のテーマで区切り日本史を振り返ってゆく。古市さんは同書のまえがきで日本史の教科書がつまらない理由――「覚える固有名詞が多すぎる」「ヤマもオチもない」――をあげ、《「面白い日本史が読みたい!」という一言に尽きる。できるだけ固有名詞に頼らずに、引いた視点で、巨視的に日本の歴史を把握したい。まるで神様のような目線で、この国の歴史を描いてみたいと思った》と本作を手掛けた理由を述べている。また歴史を楽しく学ぶ秘訣は「大まかに捉えること」と述べ、乱暴にでも全体像を掴むことで本書よりも難しい歴史書も理解しやすくなる、と同書の意義を解説している。

1位『感染症の日本史』磯田道史[著](文藝春秋)

一級の歴史家が、平安の史書、江戸の随筆、百年前の政治家や文豪の日記などから、新たな視点で、感染症と対峙してきた日本人の知恵に光をあてる。 新型ウイルスに対するワクチン、治療薬も確立していない今だからこそ、歴史を見つめ直す必要がある。 「給付金」も「出社制限」も「ソーシャル・ディスタンス」もすでにあった! 今こそ歴史の知恵が必要だ!(文藝春秋ウェブサイトより)

2位『還暦からの底力 歴史・人・旅に学ぶ生き方』出口治明[著](講談社)

「還暦からの」と銘打ってますが、還暦未満のあなたにもきっと役立つ。人生100年時代をパワフルに行動するための出口流初の人生指南!! 人生の楽しみは喜怒哀楽で決まります! こんな時代だからこそ、元気にいきましょう! 本書には出口さんのように元気に生きるヒントが満載です。(講談社ウェブサイトより)

3位『ケーキの切れない非行少年たち』宮口幸治[著](新潮社)

児童精神科医である筆者は、多くの非行少年たちと出会う中で、「反省以前の子ども」が沢山いるという事実に気づく。少年院には、認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない非行少年が大勢いたが、問題の根深さは普通の学校でも同じなのだ。人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導く超実践的なメソッドを公開する。(新潮社ウェブサイトより)

4位『絶対に挫折しない日本史』古市憲寿[著](新潮社)

5位『同調圧力 日本社会はなぜ息苦しいのか』鴻上尚史[著]佐藤直樹[著](講談社)

6位『コロナ後の世界』ジャレド・ダイアモンド、ポール・クルーグマン、リンダ・グラットン 他[著](文藝春秋)

7位『人新世の「資本論」』斎藤幸平[著](集英社)

8位『なんのために学ぶのか』池上彰[著](SBクリエイティブ)

9位『死の教科書 心が晴れる48のヒント』五木寛之[著](宝島社)

10位『たのしい知識 ぼくらの天皇(憲法)・汝の隣人・コロナの時代』高橋源一郎[著](朝日新聞出版)

〈新書ランキング 9月29日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2020年10月3日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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