【話題の本】『パンダ自身』 半世紀追い続けた蓄積

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「女性自身」ならぬ、「パンダ自身」。東京・上野動物園のアイドルパンダ、シャンシャンの中国返還が迫るなかで緊急出版されたムック本だ。昨年12月下旬に発売され、現在4刷5万5000部。大型書店でも「おひとりさま1冊」と制限がかかるほど、人気を博している。

 シャンシャン返還は昨年末から今年5月に延期されたが、神戸市立王子動物園で20年間愛されてきたタンタンの中国帰国も決まっている。一方、ビッグファミリーを擁する和歌山のアドベンチャーワールドでは昨年新たにベビーが誕生するなど、パンダの話題は尽きることがない。

 老若男女に愛されるパンダは今も昔もキラーコンテンツとはいえ、パンダ初来日(昭和47年)の前から半世紀の間、追い続けてきた週刊誌「女性自身」の蓄積は半端じゃない。本書は過去の記事を再構成し紹介するとともに、「黒柳徹子とパンダの物語」など新たな要素も充実させた。

 好調の理由について、「週刊誌っぽいノリなのに、パンダ特集というギャップを面白がってもらえているのかな」と編集担当者。愛らしいグラビアからパンダにまつわる「トンデモ事件簿」まで、他の追随を許さない切り口が光る。(光文社女性ブックス・1091円+税)

 黒沢綾子

産経新聞
2021年2月6日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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