【話題の本】『その言葉、もう使われていませんよ』日本語倶楽部編

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 ■価値観をアップデートできる

 「若者は『写メ』とは言わない」。先日、ネットでそんな文言を見て驚いた。頻繁に「写メ送って」と友人に頼む私は40代。ガラケーを知らないスマホ世代は、LINEなど通信アプリを活用し、そもそも写真を「メール」で送らないから、もう言わないらしい。

 こんなふうに、このあいだまで使われていた言葉がいつの間にか死語になっていることがある。本書は“賞味期限切れ”の日本語を集め、どう言い換えるか、なぜそうなったのかを解説する。初版1万部で3月から書店に並び、順調に売れている。

 いまの時代、ついうっかり使って差別につながる用語がある。「はだ色」「カメラマン」「父兄」「女房役」は「うすだいだい」「フォトグラファー」「保護者」「補佐役」と言い換えられるようになった。

 子供たちが学ぶ教科書用語も様変わりしている。外来語は現地の発音に近づけ、「リンカーン」は「リンカン」、「エジソン」は「エディソン」と表記されているそうだ。

 「新しい言葉を知ることで、古くなった意識や価値観をアップデートできる」と担当編集者。本書をもとに、年の離れた世代間で会話するのも楽しそう。(KAWADE夢文庫・792円)

 篠原那美

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