誰かを頼れず無理ばかりしてしまうあなたへ【韓国エッセイ・試し読み・第2回】

試し読み

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韓国で人気の作家兼イラストレーターのソルレダさんが、不安や孤独、悩み……矛盾だらけの感情を描いたイラストエッセイ『わたしの心が傷つかないように』が刊行されました。KPOPグループ「BTS」のメンバーの愛読書としても話題になった本作の魅力とは?

今回は、本作の中から、自分にきびしく無理ばかりして追い詰められてしまうあなたをいたわる一編を紹介します。


自分をいたわる

ほかの人には思いやりをもってやさしく接するのに、なぜ自分にだけはこんなにきびしいんだろう? すこし怠けただけで気がたるんでいると自分を叱り、小さなしくじりにも目くじらを立てる。

ここから逃げ出して、ひとりでうずくまっていたいと思う瞬間がある。でも、考えてみると、わざわざひとりになったところで、最後まで心をなぐさめてやれないときもある。

自分を責めたり、落ち込んだり、いたわるどころか追い詰めるばかりで、中途半端な誓いや決心をしたりもするだろう。

ひとりになりたいと思うくらい疲れているなら、真っ先に自分自身に会いに行こう。心のなかに閉じ込められて泣いている自分に、声をかけてあげよう。


もし、心のなかの自分が寒さに震えているなら分厚い布団をかけてあげ、わめいたり不満を言っているなら最後まで話を聞いてあげればいい。心のなかで孤軍奮闘している自分に会い、かいがいしく世話を焼いてあげよう。自責、決心、誓いは、それからでも遅くない。

がんばらなくてもいい

傷だらけなのに、大丈夫だと言いながら、自分よりも相手の心配をする人……。そんな姿を見ていると、胸が痛くなると同時に腹が立ってくる。

「泣いてもいいのに……。痛いって泣きついてもいいのに……。どうしてがまんばかりするの?」

つらいことがあったとき、だれかの胸元に飛び込んで素直に涙を流す人もいれば、にっと笑って、これくらい平気だから気にしないでと、かえって相手を気遣う人がいる。


前者のように、涙も鼻水もぼろぼろ流す人のほうがいい。後者の場合は、むしろ痛みが2倍も3倍も伝わってきて、なぐさめる側まで弱ってしまう。必死に耐える姿を見ていることのほうが、もっとつらい。

たまには、となりにいる人に寄りかかることも必要。もし、だれかに頼ることが迷惑になるんじゃないかと心配なら、次にその人がつらそうなとき、そばにいてあげればいい。一度寄りかかったことのある人は、寄りかかられる役も上手だから。

「大丈夫じゃなくても、大丈夫」

明日は耐え忍ぶ一日ではなく、笑顔で過ごせる一日になりますように!

作・絵/ソルレダ チェ・ミンジョン。作家兼イラストレーター。2008年から絵日記形式で書き溜めてきた「感情メモ」から、ウサギのキャラクター「ソルト」が誕生した。失敗したり、傷ついたり、思いわずらったりと、完璧ではないけれど自分を大切にしようと努力するソルトの姿を通じて、人の感情と内面の変化を描き出し、人気を集める。現在は、カウンセリング心理学を学ぶかたわら、作家として活動を続けている。 著書に『何事もないかのように』『わたしの初めてのラインドローイング』『たかが人、されど人』『毎日すこしずつドローイング』(いずれも未邦訳)などがある。

訳/李 聖和(イ・ソンファ) 大阪生まれ。関西大学法学部卒業後、会社勤務を経て韓国へ渡り、韓国外国語大学通訳翻訳大学院修士課程(韓日科・国際会議通訳専攻)修了。現在は、企業内にて通訳・翻訳業務に従事。韓国文学翻訳院翻訳アカデミー特別課程・アトリエ課程修了。第2回「日本語で読みたい韓国の本翻訳コンクール」で最優秀賞受賞。訳書にペク・スリン著『静かな事件』(クオン)がある。

ソルレダ(作・絵)/李聖和=イ・ソンファ(訳)

日本実業出版社
2021年8月24日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

日本実業出版社

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