宮部みゆきのライフワーク「三島屋変調百物語」第7弾が文庫化でベストセラー 最新第9弾は7月発売[文庫ベストセラー]

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6月20日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文庫第1位は『竈稲荷の猫』が獲得した。
第2位は『魂手形 三島屋変調百物語七之続』。第3位は『52ヘルツのクジラたち』となった。

2位に初登場の『魂手形 三島屋変調百物語七之続』は宮部みゆきさんによる連作江戸怪談シリーズ第7弾。神田にある袋物屋・三島屋で行われている〈変わり百物語〉。江戸中から集まる不思議な話の聞き手を務めるのは三島屋の次男・富次郎。第5弾まではある事件で心に深い闇を背負った三島屋の主人の姪「おちか」が聞き手を務めていた。宮部さんは同シリーズをライフワークと語り、第7弾の単行本刊行時のインタビューで語り手が富次郎となったことで《一番の変化は、やはり富次郎は絵を描いて「聞き捨て」とする趣向にあると思います。ですので、毎回ネタを考えるときに、「富次郎にどんな絵を描かせるか」ということを同時に考えるようになりました。また、富次郎は現代でしたら大学四年生ぐらいの男子ですので、おちかのときには控えていた男女の話を盛り込めるようになりましたね。》と語っている。またシリーズを通して宿敵として描かれる「商人」や三島屋の頼れる女中「お勝」についてなど、キャラクターの印象と今後についても明かしている。

同シリーズは2014年にはNHK BSプレミアムでドラマ化され俳優の波瑠さんがおちかを演じていた。現在第8弾となる『よって件のごとし 三島屋変調百物語八之続』(KADOKAWA)が発売されている他、2023年7月28日には第9弾『青瓜不動 三島屋変調百物語九之続』(KADOKAWA)の発売が予定されている。

1位『竈稲荷の猫』佐伯泰英[著](光文社)

日本橋からほど近い竈河岸の裏店で、小夏は三味線職人の父とふたり暮らしだ。父の弟弟子の善次郎は、母のいない小夏を気遣いながら、一張の三味線を造り上げることを夢見て修業に励んでいた。ふたりは力を合わせ、世にひとつしかない三味線を造り上げようとするが、さまざまな困難が襲う。才能に溢れる若き男女が、己を信じて夢に向かい進む先に待つものとは。(光文社ウェブサイトより)

2位『魂手形 三島屋変調百物語七之続』宮部みゆき[著](KADOKAWA)

百物語なんかしていると、この世の業を集めますよ――。江戸は神田の袋物屋・三島屋では、風変わりな百物語が続けられている。語り手一人に、聞き手も一人。主人の次男・富次郎が聞いた話はけっして外には漏らさない。少年時代を木賃宿で過ごした老人が三島屋を訪れた。迷える魂の水先案内を務める不思議な水夫に出会ったことがあるという――。三島屋に嬉しい報せも舞い込み、ますます目が離せない宮部みゆき流の江戸怪談。(KADOKAWAウェブサイトより)

3位『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ[著](中央公論新社)

二〇二一年本屋大賞第一位。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年の新たな魂の物語――。〈解説〉内田 剛(中央公論新社ウェブサイトより)

4位『猪牙の娘 柳橋の桜(一)』佐伯泰英[著](文藝春秋)

5位『怪物【映画ノベライズ】』坂元裕二[脚本]是枝裕和[監督]佐野晶[著](宝島社)

6位『正欲』朝井リョウ[著](新潮社)

7位『クスノキの番人』東野圭吾[著](実業之日本社)

8位『月曜日の抹茶カフェ』青山美智子[著](宝島社)

9位『六人の嘘つきな大学生』浅倉秋成[著](KADOKAWA)

10位『あんとほうき星 お勝手のあん』柴田よしき[著](角川春樹事務所)

〈文庫ランキング 6月20日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2023年6月24日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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