中村倫也主演ドラマ版も好評 池井戸潤『ハヤブサ消防団』は消防団員のイメージアップに繋がるか? 刊行当時の消防庁長官も期待[文芸書ベストセラー]

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 7月19日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『鍛冶屋ではじめる異世界スローライフ 8』が獲得した。
 第2位は『ハヤブサ消防団』。第3位は『前略、山暮らしを始めました。3』となった。

 2位の『ハヤブサ消防団』は池井戸潤さんが2022年9月に発表したミステリ小説。東京からのどかな田園地帯「ハヤブサ地区」に移住してきたミステリ作家が主人公。地域の仲間に誘われ消防団に入団し、ハヤブサ地区で起こっていた連続放火事件に遭遇する。田舎暮らしを満喫するはずの主人公は事件の隠された真実を追うことに。

 同作は7月13日より実写ドラマ版の放送がスタート。主人公のミステリ作家は俳優の中村倫也さんが演じ、共演は川口春奈さん、満島真之介さん、生瀬勝久さん、山本耕史さんら。現在第二話まで放送されており、次回は8月3日(木)よる9:00~。

 池井戸さんは刊行時に当時の消防庁長官・内藤尚志氏と対談。内藤氏は自身も池井戸作品の読者だと語り、今作も《一気に読み終えた後には少し物悲しい余韻が胸に残る、とてもすばらしい作品》と評していた。池井戸さんは自身の出身地・岐阜県の地元の友人たちが皆消防団に入っており、疑問があれば彼らにLINEで尋ねていたと執筆の内幕を告白。内藤さんは消防団員のなり手が減っていることをあげ、《もし『ハヤブサ消防団』が映像化されることがあれば、ビシッとした若い消防団員の姿を紹介していただけると、さらにありがたい》と期待を寄せていた。ドラマではここまでにも中村さんが団員となり消防操法大会の練習をするシーンや団員たちが火災現場で奮闘する勇壮なシーンも放送されており、内藤氏の期待どおり消防団員のイメージアップにも一役買うことだろう。

1位『鍛冶屋ではじめる異世界スローライフ 8』たままる[著](KADOKAWA)

魔宝石の製作に成功し、妖精達を病から救ったエイゾウ。始まる夏に向けて、仲間たちと井戸掘りに精を出していると、黒の森の主を名乗る樹木精霊(ドライアド)がエイゾウの元を訪れる。 彼女の依頼は、とある強力な魔物を退治してほしいというもの。エイゾウ達が黒の森の最高戦力である、というのがお声がかかった理由らしい。放置すれば、魔物の大量発生にも繋がりかねない。自らの住まう森のため、エイゾウは家族とともにその討伐に挑むことにするのだが……?(KADOKAWAウェブサイトより)

2位『ハヤブサ消防団』池井戸潤[著](集英社)

主演・中村倫也!木曜ドラマ『ハヤブサ消防団』原作 (テレビ朝日系/毎週よる9時放送) ミステリ作家vs連続放火犯 のどかな集落を揺るがす闘い! 東京での暮らしに見切りをつけ、亡き父の故郷であるハヤブサ地区に移り住んだミステリ作家の三馬太郎。地元の人の誘いで居酒屋を訪れた太郎は、消防団に勧誘される。迷った末に入団を決意した太郎だったが、やがてのどかな集落でひそかに進行していた事件の存在を知る───。連続放火事件に隠された真実とは? 地方の小さな町を舞台にした、池井戸作品初の“田園”小説として、「小説すばる」連載中から話題を呼んだ珠玉のミステリ。(集英社ウェブサイトより)

3位『前略、山暮らしを始めました。3』浅葱[著](KADOKAWA)

山菜採り、稲刈り、栗拾いと収穫が多い秋の季節。しかし良いことばかりではなく、蜂の巣が出来たり猪が増えたりと山の管理も大忙し! 佐野はニワトリとドラゴンさんと一緒にスズメバチの駆除に向かうことになり……(KADOKAWAウェブサイトより)

4位『汝、星のごとく』凪良ゆう[著](講談社)

5位『剣と魔法と学歴社会 ~前世はガリ勉だった俺が、今世は風任せで自由に生きたい~』西浦真魚[著](KADOKAWA)

6位『この夏の星を見る』辻村深月[著](KADOKAWA)

7位『すべての恋が終わるとしても -140字のさよならの話-』冬野夜空[著](スターツ出版)

8位『稀代の悪女、三度目の人生で【無才無能】を楽しむ』嵐華子[著](KADOKAWA)

9位『聖女じゃなかったので、王宮でのんびりご飯を作ることにしました 9』神山りお[著](KADOKAWA)

10位『廃村ではじめるスローライフ ~前世知識と回復術を使ったらチートな宿屋ができちゃいました!~』うみ[著](KADOKAWA)

〈文芸書ランキング 7月19日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2023年7月22日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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