『推し、燃ゆ』文庫化でベストセラー 等身大で切実な姿を描いたアイドル小説5選[文庫ベストセラー]

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 8月1日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文庫第1位は『鬼の花嫁 新婚編三~消えたあやかしの本能~』が獲得した。
 第2位は『わたしの幸せな結婚 七』。第3位は『オムニバス』となった。

 4位以下で注目は4位に初登場の『推し、燃ゆ』。2021年に第164回芥川賞を受賞した作品の文庫版。不器用で生きづらさを抱える少女が命がけでアイドルを「推し」、「解釈」し続ける姿を描く。主人公は「人生の背骨」とまで言う「推し」が炎上し、自身の生活環境が変わることでさらに「推す」ことへの陶酔が強まっていく。メディアの中の「推し」と「推す」ためだけに生きる自分が存在する孤独な生活の行く末は――。全世界で発行部数は80万部を突破している。

 KADOKAWAの文芸WEBマガジン「カドブン」では「きっと他人事ではいられない、等身大で切実な姿を描いた作品」とアイドル小説を5つ紹介。NMB48の安部若菜さんが本気で描いた、禁断の「アイドル×オタク」恋愛小説『アイドル失格』(KADOKAWA)や《等身大アイドルの“今”を描く鮮やかさは、本書がベスト1》『アイドル 地下にうごめく星』渡辺優[著](集英社)などとともに『推し、燃ゆ』を紹介している。

1位『鬼の花嫁 新婚編三~消えたあやかしの本能~』クレハ[著](スターツ出版)

新婚旅行を終え、玲夜の隣で眠りについたはずの柚子。でも目覚めたときには横に玲夜はおらず、まったく違う場所にいた。『私の神子――』と声が聞こえ現れたのは、銀糸のような長い髪の美しい神だった。突然目覚めた神に、消えた神器を探すよう告げられ、柚子は玲夜とともに奔走するけれど…!?それはあやかしの溺愛本能を消す代物だった。「たとえ、本能をなくしても俺の花嫁はお前だけだ」文庫版限定の特別番外編・猫又の花嫁恋人編収録。あやかしと人間の和風恋愛ファンタジー新婚編第3弾!(スターツ出版ウェブサイトより)

2位『わたしの幸せな結婚 七』顎木あくみ[著](KADOKAWA)

様々な困難を乗り越えて、ついに迎えた祝言の日。美世は朝から気が気ではなかった。前日に緊急の呼び出しがあり仕事に向かった清霞が、婚礼のはじまる時刻が近づいても帰ってこないのだ。花嫁衣装に身を包み、「誰よりも私が、明日を心待ちにしている」という清霞の言葉を信じて待つ美世。けれどその裏では、五道と深い因縁のある強力な異形の影が動いていた。少女があいされて幸せになるまでの物語は、婚礼を迎え、幸せな「家族」の物語へ――。(KADOKAWAウェブサイトより)

3位『オムニバス』誉田哲也[著](光文社)

葛飾区青戸の女子大生殺害事件。浮上した被疑者は、すでに別件で本所署に留置されていた。勝俣に呼び出された姫川玲子は、本所の案件には触るなと強要される――。(「それが嫌なら無人島」)住人の男が自殺した家の床下から、女性の腐乱死体が発見された!二人の関係は?そして男の不可解な行動の意味とは?(「六法全書」)ほか、姫川玲子が新たな魅力を見せる全七編。(光文社ウェブサイトより)

4位『推し、燃ゆ』宇佐見りん[著](河出書房新社)

5位『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ[著](中央公論新社)

6位『世界でいちばん透きとおった物語』杉井光[著](新潮社)

7位『逆ソクラテス』伊坂幸太郎[著](集英社)

8位『クスノキの番人』東野圭吾[著](実業之日本社)

9位『君たちはどう生きるか』吉野源三郎[著](岩波書店)

10位『正欲』朝井リョウ[著](新潮社)

〈文庫ランキング 8月1日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2023年8月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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