宮部みゆきのライフワーク「三島屋変調百物語」最新9巻がベストセラー 芥川賞『ハンチバック』直木賞『木挽町のあだ討ち』『極楽征夷大将軍』もランクイン[文芸書ベストセラー]

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 8月15日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『ハンチバック』が獲得した。
 第2位は『すべての恋が終わるとしても -140字の恋の話-』。第3位は『青瓜不動 三島屋変調百物語九之続』となった。

 3位の『青瓜不動 三島屋変調百物語九之続』は宮部みゆきさんによる連作江戸怪談シリーズ第9弾。宮部さんが「いつも自分の一番そばにある、原点に近い仕事」と語るライフワークともいえるシリーズ。神田にある袋物屋・三島屋で行われている〈変わり百物語〉。江戸中から集まる不思議な話の聞き手を務めるのは三島屋の小旦那で次男の富次郎。第5弾まではある事件で心に深い闇を背負った三島屋の主人の姪「おちか」が聞き手を務めており、今作に収録された一篇ではみごもったおちかの安産を願いもたらされた不動明王像にまつわる因縁が語られる。同シリーズは2014年にNHK BSプレミアムでドラマ化され俳優の波瑠さんがおちかを演じた。

1位『ハンチバック』市川沙央[著](文藝春秋)

第169回芥川賞受賞。選考会沸騰の大問題作!「本を読むたび背骨は曲がり肺を潰し喉に孔を穿ち歩いては頭をぶつけ、私の身体は生きるために壊れてきた。」井沢釈華の背骨は、右肺を押し潰すかたちで極度に湾曲している。両親が遺したグループホームの十畳の自室から釈華は、あらゆる言葉を送りだす――。(文藝春秋ウェブサイトより)

2位『すべての恋が終わるとしても -140字の恋の話-』冬野夜空[著](スターツ出版)

140字で綴られる、恋の始まりと終わり――。(以下、本文『後悔しないように』引用)「もっと早く告白しておけばよかった」幼なじみの彼は言った。慎重なところが魅力な彼だけれど、今回はその人柄が裏目に出てしまったらしい。「元気出して」「まあ大丈夫。お前は俺みたいに後悔するなよ」こんな時ですら私の心配だ。でも、私はそんな彼のことが――。「じゃあ、後悔しないように言うね」(スターツ出版ウェブサイトより)

3位『青瓜不動 三島屋変調百物語九之続』宮部みゆき[著](KADOKAWA)

行く当てのない女達のため土から生まれた不動明王。悲劇に見舞われた少女の執念が生んだ家族を守る人形。描きたいものを自在に描ける不思議な筆。そして、人ならざる者たちの里で育った者が語る物語。恐ろしくも暖かい百物語に心を動かされ、富次郎は決意を固める──(KADOKAWAウェブサイトより)

4位『木挽町のあだ討ち』永井紗耶子[著](新潮社)

5位『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。 16』夕蜜柑[著](KADOKAWA)

6位『サイレント・ウィッチ VI 沈黙の魔女の隠しごと』依空まつり[著](KADOKAWA)

7位『ハヤブサ消防団』池井戸潤[著](集英社)

8位『すべての恋が終わるとしても -140字のさよならの話-』冬野夜空[著](スターツ出版)

9位『レーエンデ国物語 月と太陽』多崎礼[著](講談社)

10位『極楽征夷大将軍』垣根涼介[著](文藝春秋)

〈文芸書ランキング 8月15日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2023年8月19日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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