上手な「老い方」下手な「老い方」とは 高齢者医療に携わってきた医師が書いた「老い方の教科書」[新書ベストセラー]
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11月14日トーハンの週間ベストセラーが発表され、新書第1位は『家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊』が獲得した。
第2位は『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』。第3位は『歴史で読み解く!世界情勢のきほん』となった。
4位以下で注目は4位『人はどう老いるのか』。小説家で高齢者医療にも携わる久坂部羊さんが書いた「老い方」の教科書。高齢者の実態や医療の現実を描き、老いを前に「次のステージへの準備」をすべきと説き、そのための心の持ちようについて解説している。
人生100年時代、医療は進化し、人はどんどんと長く生きられるようになる一方で、それは長い期間「老い」と向き合うことを意味する。多くの高齢者と接してきた久坂部さんは同書のまえがきで《上手に老いている人もいれば、下手に老いて苦しんでいる人もいました》と、様々な老いのパターンをみてきたと述べる。久坂部さんによると老い方が下手で苦しんでいる人は《だいたい油断している人》と述べ、《浮かれた情報に乗せられ、現実を見ずに明るく気楽で前向きな言葉を信じた人たち》と解説。逆に上手な老い方をしている人は《ある種の達観を抱いています》と分類する。《決していつまでも元気を目指して頑張っている人ではありません》と気楽な健康情報に踊らされず、あくせくしても仕方がないと達観することが上手い「老い方」だと綴ってる。老いの現実を知り、誰もが初めて体験する「老い」とうまく付き合う方法を学んでみてはいかがだろう。
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- 家康の誤算 : 「神君の仕組み」の創造と崩壊
- 価格:990円(税込)
1位『家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊』磯田道史[著](PHP研究所)
徳川家康は、いかにして幕府を創り上げ、それはなぜ、どのように崩壊していったのか。そして、家康が近代日本に与えた影響とは――。(PHP研究所ウェブサイトより)
2位『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』今井むつみ[著]秋田喜美[著](中央公論新社)
日常生活の必需品であり、知性や芸術の源である言語。なぜヒトはことばを持つのか? 子どもはいかにしてことばを覚えるのか? 巨大システムの言語の起源とは?ヒトとAIや動物の違いは? 言語の本質を問うことは、人間とは何かを考えることである。鍵は、オノマトペと、アブダクション(仮説形成)推論という人間特有の学ぶ力だ。認知科学者と言語学者が力を合わせ、言語の誕生と進化の謎を紐解き、ヒトの根源に迫る。(中央公論新社ウェブサイトより)
3位『歴史で読み解く!世界情勢のきほん』池上彰[著](ポプラ社)
急成長中のIT大国インド、一強を狙う中国、ウクライナに侵攻したロシア――歴史をおさえると、各国の思惑がよくわかる!(ポプラ社ウェブサイトより)
4位『人はどう老いるのか』久坂部羊[著](講談社)
5位『中東問題再考』飯山陽[著](育鵬社)
6位『日本史を暴く 戦国の怪物から幕末の闇まで』磯田道史[著](中央公論新社)
7位『運は遺伝する 行動遺伝学が教える「成功法則」』橘玲[著]安藤寿康[著](NHK出版)
8位『日本の歪み』養老孟司[著]茂木健一郎[著]東浩紀[著](講談社)
9位『「発達障害」と間違われる子どもたち』成田奈緒子[著](青春出版社)
10位『親密な手紙』大江健三郎[著](岩波書店)
〈新書ランキング 11月14日トーハン調べ〉
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