【児童書】『劇場ってどんなところ?』

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劇場ってどんなところ?

『劇場ってどんなところ?』

著者
フロランス・デュカトー [著]/シャンタル・ペタン [著]/野坂悦子 [著]/岡室美奈子 [著]
出版社
西村書店
ISBN
9784890139736
発売日
2017/01/20
価格
1,760円(税込)

【児童書】『劇場ってどんなところ?』

[レビュアー] 産経新聞社

 ■舞台裏にスポットライト

 演劇というと、普通の人はまず俳優を思い浮かべるはず。もしかしたら、演出家や脚本家を連想する人もいるかも。裏方だけど有名人も多い仕事だ。

 でも舞台裏では、もっとたくさんの人たちが働いている。舞台監督、美術、衣装、道具、照明、音響、制作、情宣…。それぞれの役割を的確に説明できる人は少ないだろう。じつはチラシにも誰某と書いてあったりするけれど、とくに「この劇の照明は…」なんて知らなくても平気だ。ただ、芝居がどうやって作られているかを知れば、舞台鑑賞はさらに楽しくなる。

 本書は、劇場のなりたちにはじまり、どんな種類の劇があるのか、美術や衣装は何をするのか、俳優はどんな練習をしているのかなど、舞台裏にスポットライトを当てた絵本だ。

 観音開きの大きな絵として登場する劇場の透視図が面白い。客席から見えない部分がたくさんあって、裏方さんが頑張って舞台を支えているのがよくわかる。学芸会を控えたお子さんと一緒にどうぞ。(フロランス・デュカトー文、シャンタル・ペタン絵、野坂悦子訳/西村書店・1600円+税)

 篠原知存

産経新聞
2017年2月26日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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