敵の敵は味方? 関東の戦乱は複雑怪奇!

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

関東戦国史  北条VS上杉55年戦争の真実

『関東戦国史 北条VS上杉55年戦争の真実』

著者
黒田 基樹 [著]
出版社
KADOKAWA
ジャンル
歴史・地理/日本歴史
ISBN
9784044001896
発売日
2017/01/25
価格
924円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

敵の敵は味方? 関東の戦乱は複雑怪奇!

[レビュアー] 図書新聞

 関東における戦国時代は、応仁の乱よりも前に始まる。関東足利氏、関東管領(扇谷上杉氏・山内上杉氏)らの泥沼の争いの中に颯爽と現れた「他国の逆徒」伊勢宗瑞。以後、鎌倉幕府執権の名字である「北条」と改称して旧勢力を抑え、氏綱・氏康・氏政が関東に覇を唱えたが、その北条氏が没落させた山内上杉氏が関東管領職を長尾景虎に譲ることで「上杉」(謙信)となり、新たに関東をめぐる攻防が繰り広げられる。さらに、甲相駿三国同盟の成立からその破棄による武田信玄の小田原攻め、その間で振り回されながらも生き延びるために服属先をころころ変え、逆に政情を左右していった「国衆」の姿についても詳しく描かれていて、複雑な関東の戦乱を知る上で絶好の一冊だ。(1・15刊、二四〇頁・本体八四〇円・角川ソフィア文庫)

図書新聞
2017年3月18日号(3295号) 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

図書新聞

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク