【写真集】『wreath(リース)』鍵井靖章

レビュー

1
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

【写真集】『wreath(リース)』鍵井靖章

[レビュアー] 産経新聞社

 ■極彩色の幻想世界

 リースというのは花輪のこと。インド洋のモルディブ共和国は約1200の環礁や島々からなる。歩いて回れそうな小さな島が美しく連なる姿が「島々の花輪」と呼ばれたのが、国名の語源だとか。

 世界的に人気のリゾートで、特にダイビングが趣味の人なら、一度は訪ねて潜ってみたいと願うスポットでは。かつてはモルディブに拠点を置いたこともあるという鍵井靖章さんは「私を水中写真家として育ててくれた海」と記している。

 ページを繰ると、その海での水中遊泳を追体験できる。赤、黄、橙、緑…さまざまな色のサンゴ礁に群れる、これまたカラフルな魚たち。地上ではまったく想像もできない、極彩色の幻想的な世界が広がっている。

 その豊かさときたら…。ついカメや魚のような大きな生物に目が行くが、背景のサンゴ礁だってじつは造礁サンゴという動物の集まり。大小の無数の生命が、アートのような風景を作り出している。

 海中に連なる「生命の花輪」こそ、モルディブの海が人々を魅了する理由なのだろう。(日経ナショナル ジオグラフィック社・1600円+税)(存)

産経新聞
2017年5月20日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

  • このエントリーをはてなブックマークに追加