『こんな樹木葬で眠りたい 自分も家族も幸せになれるお墓を求めて』
[レビュアー] 産経新聞社
森に遺骨を埋葬した後、樹木を墓標とする「樹木葬」。日本では平成11年に岩手県一関市の墓地で行われたのが最初という。
森林と景観の研究者である著者は、「お墓参りをピクニックに」をスローガンとし、〈火葬人口の一割が樹木葬〉のドイツと日本を比較研究。本書では、さまざまな形の樹木葬墓地を紹介しつつ、課題と可能性をまとめている。
日本では「墓じまい」の手段として用いられることも多く、墓地の都市集中で本来の側面のひとつ、自然資源の活用は進んでいない。樹木葬をとりまく法律、文化、ふるさとのあり方も考えさせられる。(上田裕文著/旬報社・1500円+税)