人として父として、かくありたい。――「流転の海」と私 中村義洋(映画監督) レビュー 新潮社 波 [レビュー] (日本の小説・詩集) 『野の春―流転の海 第九部―』 著者 宮本輝 [著] 出版社 新潮社 ISBN 9784103325192 発売日 2018/10/31 価格 2,310円(税込) ネット書店で購入する 『流転の海 愛蔵版 全9巻セット』 著者 宮本輝 [著] 出版社 新潮社 ISBN 9784103325208 発売日 2018/10/31 価格 55,000円(税込) ネット書店で購入する 人として父として、かくありたい。 [レビュアー] 中村義洋(映画監督) 中村義洋 視点の切替、伏線の置き方、邂逅の必然、妬みの怖さ、父とは母とは……物語の在り方はすべて『流転の海』から学んできたように思います。 二十代で読み始めて二十数年。間もなく自分は第一巻の熊吾の年齢に達します。それに近づくにつれ熊吾の気持ちが痛切に沁み入り始めた頃、第六巻のタイトルに「慈雨」の文字。これだけで泣いてしまいました。人として父として、かくありたいです。 2018年10月号 掲載 ※この記事の内容は掲載当時のものです 新潮社 中村義洋 宮本輝 「流転の海」シリーズ