非ネイティブが生き抜くための「英語のマナー」。リーゼント本部長が教えます

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ビジネス現場で即効で使える 非ネイティブエリート最強英語フレーズ550

『ビジネス現場で即効で使える 非ネイティブエリート最強英語フレーズ550』

著者
岡田 兵吾 [著]
出版社
ダイヤモンド社
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784478108734
発売日
2019/09/06
価格
1,760円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

非ネイティブが生き抜くための「英語のマナー」。リーゼント本部長が教えます

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

ビジネス現場で即効で使える 非ネイティブエリート最強英語フレーズ550』(岡田兵吾 著、ダイヤモンド社)の著者は、「リーゼントマネージャー」の異名を持つマイクロソフトシンガポールアジア太平洋地区ライセンスコンプライアンス本部長。

2008年の前著『すべての仕事を3分で終わらせる――外資系リーゼントマネジャーの仕事圧縮術』(ダイヤモンド社)は独自の「仕事圧縮術」を公開したものでしたが、今回は「ビジネス英語」がテーマとなっています。

アクセンチュア、デロイトコンサルティング、マイクロソフトと外資系企業を渡り歩いてきた著者は、現在も英語を第一言語とするシンガポール在住。

これまでに何度も、「英語が全然話せない」「会話に入れない」などの「言語の壁」に直面してきたのだそうです。

そしてそんななか、ビジネス英語では「敬語」と「気遣い」が2つの大黒柱になっていると実感したのだとか。

多くの「非ネイティブ」の先人たちが生き続けるために探り当てた「英語のマナー」があるということ。

ネイティブにとっては「やりすぎ」な表現でも、「非ネイティブ」が生き抜くためにはちょうどいい英語もあるというのです。

そこで改めて「多くを語らなくてもきちんと伝わる最低限必要な英語はなんだろうか?」と考え、「非ネイティブとして絶対におぼえておいてほしいフレーズ」を厳選。

それらを本書にまとめたというわけです。

きょうは「ネイティブと自然に会話がつながるフレーズ」を中心に紹介しているという第3章「どんなに口ベタでもネイティブと堂々と話せる ーー自然と会話がつながる49のキーフレーズ」に注目してみたいと思います。

ここで著者が強調しているのは、自分から積極的に話しかけることの重要性です。

知らない人にも朝の挨拶。存在感を示していこう

A: Good morning! How’s your life treating you?(おはようございます! 調子はどうですか?)

B: Good morning. (It’s treating me) Very well.(おはようございます。調子はいいですよ)

A: Yes, you always look so great.(確かにいつも調子よさそうですね)

B: Thanks for your kind words. You look happy too.(ありがとうございます。あなたもいつも調子よさそうですよ)

A: You’re right.(あなたの言うとおりですね)

(42ページより)

コミュニケーションのうまい外国人の接客には、2つのポイントがあるのだそうです。

まずひとつ目は、「知り合い以外にもフレンドリー」であること

そしてふたつ目が、「大きな声で元気よく」

外国人たちは元気よく声を張り、エレベーターで乗り合わせた知らない人にも軽やかに挨拶をするというのです。

ちなみに著者には、英語が話せなかったため「1年2カ月売上ゼロ」だった時期があったといいます。そのころは後ろめたさから、挨拶などろくにできていなかったのだそう。

まわりの外国人たちが大きな案件を誓約させていくなかで、100回以上の営業案件を失注するような状態。そのため誰からも助けてもらえず、誰にも相談できず、どん底から抜け出せなかったというのです。

しかし、そのような状況を抜け出す第一歩となったのが「挨拶」。

なまりが強いにも関わらず堂々と仕事をして成果をあげている同僚の韓国人や中国人、タイ人を観察した結果、彼らが「元気に挨拶」して他の外国人とも仲よくしていることに気づいたわけです。

そこで勇気を振り絞り、少しテンション高めに朝の挨拶を始めることで、負のスパイラルからの脱出を試みたということ。

具体的には、話したことがない人にも「Good morning!」と大きな声で挨拶をし、続いて上記のように「How’s your life treating you?」と聞いてまわったということ。

その結果、一般的な「How are you?」ではなく、あえて「How’s your life treating you?」(人生を充実させていますか=調子はどうですか?)という表現を用いたことがおもしろがられ、相手もニコッと笑顔になり、どんどん会話をしてくれるようになったというのです。(42ページより)

他にも使える表現を増やしてみよう!

・ Hi! How’s It Going?(こんにちは! 調子はどう?)

・ Good morning! How’s everything?(おはよう! 調子はどう?)

・Hello! How are you doing? (こんにちは! 調子はどうですか?)

・Good morning! How’s life treating you?(おはようございます! 最近調子はどうですか?)

・ Hello! How’s your life been treating you?(こんにちは! ここ最近調子はどうですか?)

(43ページより)

一歩踏み込んだことを、さりげなく聞くには?

A: How’s your work going?(仕事の調子はいかがですか?)

B: Thankfully, I just closed a big deal last week.(幸い、先週大きな案件をちょうどクローズしたところでした)

A: Congratulations! What was it?(おめでとうございます! どんな案件だったのですか?)

B: This was one of the biggest deals of my career.(私にとっていままでで一番大きな案件のひとつだったのです)

A: That’s great. Sounds Fantastic!(それはすごいことです。とても素晴らしいですね!)(44ページより)

日本では挨拶のあとには、他愛もない世間話が続くもの。

しかしインド人や中国人、マレーシア人などの非ネイティブたちは、朝から「仕事の近況」「どこの国でどんな仕事のニーズがあるか」「○○会社がアジアに進出し、求人中」といったディープな仕事の情報交換をしているのだそうです。

著者が一度、「朝から酒を酌み交わしながらするような話をしているな」と言ったところ、戻ってきたのは「だって知りたいことだから」という答え。

そのとき著者は、「気を遣った話題でなかったとしても、聞きたいことを聞いていいのか」と新鮮に感じたといいます。

そこで以後は、朝から「How’s your work going?」(仕事の調子はいかがですか?)のフレーズを使い、知りたい会社の動向や顧客会社の情報に話題が向くようにしているのだそうです。

とはいえ、自分勝手に質問攻めにするということではありません。

相手とうまくキャッチボールができるよう、相手が楽しく話せていることも考慮したうえで、自分の知りたいことも教えてもらっているということ。

たとえば「Good morning! How’s your life treating you?」(おはようございます。調子はどうですか?)と挨拶したあとは、「How’s your work going?」と、世間話をするような軽い調子で、仕事に関する情報に話題が向くようにするということ。

明るくフレンドリーに話を振ることで、多岐にわたるジャンルの仕事情報や、会社の最新情報が聞けるというわけです。

大切なのは、英語力に自信がなかったとしても、明るい挨拶にひとこと加える努力をすること

会話にはどんな情報が潜んでいるかわからないということを意識し、ビジネスネタを探るように心がけるべきだという考え方です。(44ページより)

他にも使える表現を増やしてみよう!

・ How is your work?(仕事の調子はどう?)

・How are things with work? (仕事の調子はどうですか?)

・How is your work getting along? (仕事の具合はどうですか?)

・How’s your business going? (あなたのいまの仕事はどうなってるの?)

・ How are things going at your company?(職場での仕事の調子はどうですか?)

(45ページより)

本書の最大の魅力は、単なるノウハウ本で終わっていない点。

英語が話せず悩み、一時は自律神経失調症になってしまうなど、もつらい時期を通ってきた著者の実体験を軸としたうえで「使える」英語を具体的に紹介しているからこそ、強い説得力と実用性が生まれているのです。

日々の業務のなかで「非ネイティブの限界」を感じている方は、それを乗り越えるために本書を参考にしてみてはいかがでしょうか?

Photo: 印南敦史

Source: ダイヤモンド社

メディアジーン lifehacker
2019年10月23日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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